<広島2-1中日>◇20日◇マツダスタジアム
広島が今季6度目のサヨナラ勝利で、開幕カード以来の3連勝とした。同点の9回2死二、三塁から中日アブレウのサヨナラ暴投。この回無安打ながら、幸運な形で決勝点をもぎ取った。
代走辰見鴻之介内野手(25)の足が、中日バッテリーを追い詰めた。1死一塁から出場。「プレッシャーをかけつつ、ちょっとでも隙が出ればいこうと」とタイミングをうかがった。
アブレウはプレーボールがかかる前からけん制球を投げるほど警戒していた。2死後も2球連続、3球連続とけん制を投じ、何度も間を取った。エレフリス・モンテロ内野手(28)に制球が定まらず、3ボールとしたところで、マウンドからベンチに申告敬遠を求めるほど神経質になっていた。
歩いて得点圏に進んだ辰見は佐々木泰内野手(23)の初球、中日バッテリーのサイン違いとみられる捕逸に、瞬時の判断で快足を飛ばして三進。最後はフルカウントからの9球目が外角に大きくそれたことで、サヨナラホームを駆け抜けた。新井貴浩監督(49)は「彼の足は、相手チームにとってすごくプレッシャーがかかる。走るだけでなく、代走に送ることで相手バッテリーを揺さぶることができる。本当に大きな武器だ」と仕掛けずして、ダイヤモンドを一周した切り札の働きに賛辞を惜しまなかった。
昨季まで楽天では通算2試合出場も、広島では1年目から代走を主に50試合に出場する。リーグ3位の21盗塁を記録する。ただ、一方でこれまで味わったことのない失敗も味わっている。それでも「逆に言ったら“行ったから失敗できた”という捉え方もできる。最初から“行かずに…”という歳ではまだないと思いますし、未来のためにやっています」と言い切る。そんな前向きな姿勢こそ、辰見のスピードを加速させている。
∇広島栗林(8回1失点に)「同点に追いついてから、もう絶対に点はやらないという気持ちだった。モンティの(同点ソロ)ホームランがその後のピッチングにつながった」