キング森下翔太外野手(26)をスタメンから欠いた阪神打線が奮起した。0-0の3回無死満塁。先制チャンスで近本光司外野手(31)が鮮やかに中前にはじき返し、先制の1点を奪った。
追い込まれていた近本は、巨人左腕小笠原のやや浮いたチェンジアップを逃さなかった。快音を残してライナーが中前にはずんだ。ただここで一塁走者の才木のスタートが遅れて、二塁に返球されて封殺。記録上はまさかの「中ゴロ」となってしまった。内野ゴロの間の打点と同様の扱いだが、誰もが認める「適時打」だった。ヒットを1本損した形になったが、近本は「最終的に点になったのでよかった」と振り返った。
すかさず二盗を決めて、中野の2点適時打で生還。一気呵成(かせい)の1イニング3得点を演出した。入団から8年連続の2桁10盗塁。打って走って躍動感あふれる姿で貢献した。
リーグ最多31本塁打の森下が前日29日に左前腕に受けた死球の影響で、今季2度目のベンチスタート。幸い、離脱は回避したが、飛車角の1枚が抜けた状態だった。打順も佐藤、大山、前川、坂本と1つずつ前倒しにして臨んだ。ピンチで一丸となり、下位打線から作った貴重なチャンスをしっかりとものにした。
近本自身も4月に同じように死球で左手首を骨折。2カ月半離脱した経緯がある。ここに来て調子を上げ、月間打率は3割2分1厘で8月を終えた。優勝マジックを2つ減らして21とし、いよいよ戦いは勝負の9月へ。球団初のリーグ連覇へ、虎が誇る1番がVロードを切り開く。【柏原誠】
◆外野ゴロがV打 阪神の決勝点は3回の近本光司外野手(31)の中ゴロ。外野ゴロがV打となったのは、阪神では23年8月9日巨人戦以来3年ぶり。この時は2-2の延長11回、1死満塁で梅野隆太郎捕手(35)が詰まりながら中前に運ぶも、二走の島田が三塁でアウトに。今回と同じ中ゴロが決勝点となった。
阪神藤川監督(下位打線からつなげて3得点と問われ)「よく連動してくれましたね。どこからでもつながっていくぞと。森下が率先してそういう声を、この前から出して。本人はその言葉を、自分の言霊を生かすように、出られなくても最後に1イニング守ったりというところで、打つだけではなくて、守る、それからベンチで声を出すというところが、いろんな選手とともに連動して結束力高くやってくれていますので、本当に心強い8月の戦い方でしたね」