宮本慎也氏が語る「小さな大投手」ヤクルト石川雅規のすごみ「一緒にプレーすると分かる頼もしさ」

石川雅規=2026年8月27日

ヤクルトOBで日刊スポーツ評論家の宮本慎也氏(55)が、現役引退を発表した石川雅規投手(46)をねぎらった。石川が自由獲得枠で入団した02年から12年間一緒にプレー。バックを守って感じた「小さな大投手」のすごみとは。

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最初に石川の引退を聞いたとき、「ついにこの日がきてしまったのかぁ」と思いました。正直、驚いたわけでもないし、残念で仕方がないという感情とも違います。ただただ、今は「お疲れ様!」という言葉しかないという気持ちでいっぱいです。

毎年オフになると食事に行っていました。近年はいつも「引退」についての話も話題に挙がっていました。石川はプロ入りしてからずっと勝ち星を挙げています。私からは「毎年、1勝でもしているうちは、ずうずうしく思われてもいいから続けろよ。すごい記録なんだから」と言っていました。本人は「8月までに1軍に上がれなかったら引退します」と言っていました。

今年、8月に先発しました。これでダメなら引退するだろうと思っていました。だから引退すると聞いても、ビックリしなかったのです。

ドラ1で初めてキャンプで見たとき、小さな体なのにいいボールを投げるなぁと思いました。そして一緒にプレーしていると、なんであんな小さな体で活躍できるのかが分かってきます。

野球が大好きで、根性もあります。体格こそピッチャーには向いていませんが、性格は抜群に適性がありました。皆さんは知的でクレバーな投手という印象があるでしょう。しかし特に若い時は、マウンドでは打者に向かっていく気持ちで周りが見えなくなるようなところがありました。ピンチを迎え、サインプレーの確認や注意点を話しても、うなずくだけです。カッカして、こちらの言うことが聞こえていないのが、すぐに分かりました。

引退するから言えますが、守備での送球が苦手でした。プロ入り当初は大丈夫だったのですが、重圧を感じながらやってきたのでしょう。何年かするとイップスを発症したのですが、いつのまにか克服しました。

自分の弱点としっかり向き合い、努力を継続する体の強さがありました。何年も活躍できる下地はそこから生まれているし、それが小さな体でここまでやってこれた最大の理由だと思います。

チームがピンチのときは、どんなに疲れていても登板間隔を詰めて投げてくれました。石川よりすごい球を投げる投手はたくさんみてきましたが、これだけタフで頼もしさを感じさせてくれた投手はいませんでした。ゆっくり休んでください!