<ヤクルト5-3阪神>◇2日◇神宮
ヤクルト山野太一投手(27)はお立ち台で思いを込めて言った。プロ初の10勝目。球団左腕の2桁勝利は15年の石川以来だった。
「石川さん、やりましたー!」
立ち上がりから気合が入っていた。尊敬する石川の引退表明日の先発登板。初回から3者連続で空振り三振を奪った。自己最多タイの123球を投げ、首位阪神相手に7回2安打9奪三振で2失点の快投。打線の援護も受け、大卒4年間で9勝だった男が、1年で10勝に到達した。
「節目の日に先発させてもらって、石川さん以来の2桁を達成できた。次は自分が石川さんのように、スワローズを引っ張っていけるピッチャーになりたいなと改めて思いました」
先発登板日の試合前ながら、志願して石川の引退会見にサプライズで参加した。「何とかきょうは石川さんに勝利を届けられるように頑張りたいと思います」と伝えていた。恩返しの有言実行だった。
「何としても勝ちたかった。試合も大事ですし、石川さんが残したものは僕たちにははかりきれないものがある。(会見で)感謝を直接伝えられて本当によかった」
チームは残りS24試合で3位DeNAに2・5差。Aクラスは諦めてはいない。レジェンドの魂を受け継ぐ投球を見せ続ける。【塚本光】