阪神近本光司外野手(31)の夢がまた少し広がった。理事を務める一般社団法人「LINK UP」が兵庫県と共催した「子ども夢応援プロジェクト」で、8月下旬に小学生を招いて3泊4日でさまざまな体験をしてもらった。
出身の兵庫・淡路島と自主トレ先の鹿児島・沖永良部島から計16人が参加。内容は空港、大学、テレビ局の見学や甲子園観戦など。フィギュアスケーターの三原舞依さん(27=甲南ブランド・ナビゲーター)によるスケート教室も体験した。
三原さんは神戸市出身。甲南大の大学院でアスリートの「レジリエンス」などの研究を進めている。レジリエンスとは「困難に適応する力」といった意味で、自身の競技生活も踏まえて、多くの人に伝えていきたい考えを抱いている。
近本も今年4月に死球で左手首を骨折。2カ月半ほど離脱したが、その間に思い切った挑戦を行い、技術的なモデルチェンジを加えて戻ってきた。まさにレジリエンスを体現してきた。
兵庫出身のアスリート同士が共鳴しコラボが実現。夏には対面も果たした。近本は「三原さんも大学院で勉強しながら講師をしたり、自分の世界を広げられるようにいろいろなことに挑戦している。楽しんでくれていたならいいし、彼女にとっても何かのきっかけになればと僕らは思っています。(コラボは)兵庫出身ということもあるけど、お互いの思いがしっかりリンクしたことが一番大きいです」と目を細めた。
同プロジェクトは3年目。「本物に触れてほしい」という近本の考えがベースにある。島育ちの自身が子どもの時に「もっとこうしたいな」と感じていたことを形にしながらプログラムを組んでいる。「テレビとかYouTubeとかでは体験できない刺激を感じてほしい。中学生、高校生、大人になっても自分の世界を広げる、また深めるための手助けになると思っている」と参加者には伝えてきた。
石井僚介代表理事は「今年は1泊増やしたいと近本からの声がありました。いいプロジェクトになってきていると思います。これから回数を増やしたり、大きくしていければと思っています」と話した。別の県での開催など規模拡大を視野に入れている。三原さんのようなアスリートや開催地ゆかりの関係者らとの新たなコラボも考えられる。近本は現役でなくなったあとも、この世を去ったあとも続いていく枠組み作りを目指している。「夢プロ」以外でも、さまざまな教育支援活動を実施中。球界や県の垣根もどんどん越えてリンクアップ=つながっていくのだろうと思えた。【柏原誠】