【ソフトバンク】小久保監督「意識しながら戦う」CS新ルール2勝アドバンテージ狙い手綱締めた

オリックス対ソフトバンク 優勝を決めて胴上げされる小久保裕紀監督(撮影・宮崎幸一)

<オリックス1-7ソフトバンク>◇17日◇京セラドーム大阪

ソフトバンク小久保裕紀監督(54)が京セラドーム大阪で7度舞った。

今年のソフトバンクは圧倒的に強かった。リーグ3連覇はS89年の福岡移転後初めてで球団60年ぶり。無敵の9連勝&貯金39フィニッシュで、南海時代のホームだった大阪で歓喜を迎えた。「感無量です!」。会心の笑みで喜びを分かち合った。

今春のキャンプを前に「戦力アップした日本ハムにどれだけついていけるかが勝負」と引き締めていた。入念に対策し、球際の強さと勝利への執念で上回り、18勝5敗2分けのお得意様にしたことが勝因だった。

守備、走塁への高い意識付けを体制3年目で全浸透させたことが大きかった。失策は両リーグ最少の44。厳しさも強烈なスパイスだ。8月5日の日本ハム戦で8回に決勝2ランを放った野村をお立ち台に上げようとした広報に対し、怒気を含んだ大きな声で制止した。3点リードの6回に三塁守備で野村が悪送球し、同点とされていた。ミスをバットで取り返す美談はいらない。当たり前を当たり前にやる姿を常に求めた。

投手力で勝った昨季とは違い、先発が固定できなかった今季は打撃力で勝った。今季ワーストの借金2を抱えた5月20日のオリックス戦。小久保監督が野手陣を集めて声をかけた。「今年は野手で勝っていこう!」。その2日前、休日を利用して日帰りで故郷和歌山で墓参。先祖に必勝を誓い、シーズンを戦う心を新たにした。昨季も最下位に沈んだ同じ時期だった。

「ターニングポイントは交流戦前の日本ハムとの3連戦。ここで風向きが変わった」。次カードの日本ハム戦で3連勝。指揮官がゲキを飛ばして以降64勝23敗、驚異の勝率7割3分6厘でゴールテープを切った。

5月中旬から1軍復帰した右の長距離砲、正木を超攻撃型1番に指名。同時期にトレードでDeNAの正捕手山本祐を獲得する補強も敢行した。交流戦中には打撃不振の山川、中村晃を降格させるなど聖域なき処遇を断行。「主力にけが人が出ることなく自慢の得点力でしっかり得点を重ねた」。チーム最年長の柳田、周東、近藤と、昨季故障に苦しんだ3人がシーズンを完走。その中で4番を任せたのは2軍監督時代からの教え子・栗原だった。

9月1日の日本ハム戦で三塁守備の悪送送球が決勝点につながった時のこと。栗原は「何もないです。何でも書いてください」とだけ話してバスに乗り込んだ。小久保監督も現役2年目の95年、打撃不振に陥ったことを思い返した。報道陣に同じような投げやりなコメントを発した。すると翌日紙面を見た王監督から「ファンを失望させるコメントはするな!」と激怒された。すぐに栗原と2人で話す場を設けた。「気持ちを切り替えてやろう!」。若き日の自分を重ね、改めて大きな信頼を伝えた。

栗原も「できることを怠った時にはしっかり言ってもらえる」と感謝は尽きない。世代交代を進めながらの3連覇に、師弟タッグの強い絆は欠かせなかった。

2年連続日本一へ次はCSに照準を定める。小久保監督は手綱を締めた。「2位と10ゲーム差というところも見据えながら。ベテラン選手は休みたいと思うでしょうが、意識しながら戦いたい」。今季から導入されるCSファイナルステージの新ルールで、1位と10ゲーム差以上の場合は、2勝のアドバンテージが与えられる(5戦先勝制)。残り11試合も全力で勝ちにいく。小久保鷹に消化試合はない。【石橋隆雄】

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