<巨人-ヤクルト>◇20日◇東京ドーム
最後に頂点に立ったのは、コハダだった。イニング間の名物イベント「すしレース」で、コハダが年間優勝を決めた。今季13勝を積み重ねてきた主役は、この日もタマゴとの大接戦を演じ、堂々の“すし王者”に輝いた。
優勝決定の一戦にふさわしい、熱いレースだった。スタートから抜け出したのはコハダ。先頭を快走し、このまま1着でゴールかと思われた。だが、後方からタマゴが猛追。最後の最後で並びかけると、そのままスルリと抜き去った。1着はタマゴ。それでもコハダは2着に入り、年間王者の座をつかみ取った。
コハダに扮(ふん)したのは、15歳の川久保悠衣さん。浦田ファンという川久保さんは「勝ったと思って横見たらタマゴに抜かれてました」と笑顔まじりにレースを振り返った。あと1歩で目の前の勝利こそ逃したが、シーズンを通して白星を積み重ねてきたコハダは、最後にしっかり頂点に立った。
勝ったのは、タマゴに扮した11歳の持丸陽菜さん。坂本ファンで、「リレー選手にも選ばれたことないんですけど…良かったです」とはにかみながら喜んだ。劇的な差し切り勝ちで、東京ドームを大いに沸かせた。
しかも、レース後はほっこりする場面も。川久保さんと持丸さんはこの日が初対面。それでも、すしレースをきっかけに意気投合し、すっかり仲良しに。熱い優勝争いの裏で、新たな“すし友”も誕生した。
年間王者となったコハダは、まさに江戸前ずしの主役級。コノシロの若魚で、成長とともにシンコ、コハダ、ナガスミ、コノシロと名前を変える出世魚として知られる。まさに9月の今が旬で江戸前ずしでは塩をあててから酢で締めるのが定番。ひと手間かけることでうまみが引き立ち、光りものの代表格として愛されている。
そんな江戸前の主役が、すしレースでも主役だった。今季からイカ、ウニ、芽ネギ、かんぴょうの新メンバー4貫が加わり、争いはさらに激化。それでもコハダは着実に白星を重ね、最後まで首位を守り抜いた。まさに“旬の強さ”を見せつけたシーズンだった。
◆今季の戦績はコハダ13勝、イカ9勝、マグロ8勝、エビ8勝、タマゴ8勝、アナゴ6勝、かんぴょう5勝、芽ネギ5勝、ウニ3勝
▽すしレース 4回表終了時にイニング間イベントとして、米国の「ホットドッグレース」のような「すしレース」を開催している。ファン参加型のアクティベーションで出場者は「江戸前スーシーズ」に扮(ふん)して競走する。メンバーはマグロ、コハダ、タマゴ、エビ、アナゴの5貫に加え、今季から新メンバーのイカ、ウニ、芽ネギ、かんぴょうの計9貫。