カリフォルニア州立大ロングビーチ校・小椋航惺、英語力ゼロで渡米 菊池雄星からは直接助言

今秋からカリフォルニア州立大ロングビーチ校に進学する小椋航惺(撮影・平山連)

佐々木麟太郎(マーリンズ)、石川ケニー(レッズ)に続け-。海を渡る日本人アマチュア選手たちが、野望を胸に今秋から新たなスタートを切る。超ハイレベルな全米大学体育協会(NCAA)ディビジョン1の大学でプレーする選手を紹介する。【平山連】

小椋航惺内野手(1年)は内外野守れるユーティリティー性を買われ、今秋からカリフォルニア州立大ロングビーチ校に進学した。本職は大型ショート。長打力も期待されるなど、役割は多岐に渡る。中学時代は下位打線の一角で、決して中心ではなかった。失敗や課題も成長の機会と前向きに捉える米国の野球の考え方に共感し、高校から英語力ゼロの状態で渡米した。米国、カナダの学校など編入を繰り返し、メンバーから外れ別チームに移る経験もした。いじめや嫌がらせ、人種差別など苦労もあったが「日本に帰りたいとは思わなかった」と振り返る。

転機は高3の夏に参加したサマーリーグ。木製バットを使いこなし4割6分近くの率を残すと、大学関係者の目に留まった。やり取りを重ね進学先を1度決めるも、トランプ政権下の留学生の受け入れ制限によりビザ取得が難航。ジュニアカレッジ(=短大)には進めたが、NCAAディビジョン1に進学を目指した。1年間の浪人の末に念願の切符を手にした喜びは何にも代えがたかった。

かつて直接会う機会に恵まれたエンゼルス菊池雄星投手から「先の目標を見据えるのも大事だけど、1日1日を大切に積み重ねられない選手は将来も成長しない」と助言を受けた。苦難を糧にたどりついた舞台。本当の勝負はこれからだ。

◆小椋航惺(おぐら・こうせい)2006年(平18)6月29日生まれ、神奈川県出身。小中学時代は国内のクラブチームでプレー。高校から渡米し、米国やカナダなど北米の複数の環境でプレー。今秋からカリフォルニア州立大ロングビーチ校へ進学。。座右の銘は「努力と忍耐」、趣味は野球用具の研究、メンテナンス。180センチ、85キロ。右投げ左打ち。

◆NCAAディビジョン1 全米大学体育協会はスポーツプログラムの規模や学生アスリートへの奨学金の提供、運営資金などで3つのディビジョンに分かれ、そのうち最も競争力が高く、最も多くの奨学金が提供されるディビジョン。約300校が所属し、全米約30のカンファレンスに分かれてリーグ戦を行い、シーズン後にはリージョナル、スーパーリージョナルを勝ち抜いた8校が全米王者を決めるカレッジ・ワールドシリーズ(CWS)に進出する。