<猛虎リポート>
現状は受け止めているが、今の立ち位置に甘んじるつもりはない。阪神のドラフト1位ルーキー立石正広内野手(22)の表情がそう物語っているように映った。27日、今季のファーム・リーグ最終戦(SGL)が雨天中止。2軍公式戦の全日程が終了し、立石がルーキーイヤーの現在地を口にした。
「何かいい意味で1年目に全部経験できたと思っている。いい記憶もあれば、もうしんどいことも…」
プロ1年目。酸いも甘いも知った。5月19日の中日戦(倉敷)で1軍初出場。「6番左翼」で先発出場し、プロ初打席で記念すべき初安打を決めた。24日には巨人戦(東京ドーム)で同初本塁打。デビュー5試合で打率4割9厘、1本塁打、5打点をマークしていた。だが、成績は徐々に下降。6月17日に出場選手登録を抹消をされ、その後も昇降格を繰り返す。2軍落ちは計3度も数えた。ここまで通算打率1割9分2厘と苦しみ、2本塁打、10打点。シーズンの半分以上はファーム暮らしだった。
「厳しい世界になるとは思っていたんですけど…。もっと自信を持っていけば良かったなっていう反省もありますし。もう自信しかないぐらいの気持ちで来年は入っていけるように準備したい」
ポジティブにとらえれば、1軍でプレーした経験が今後の財産になっていく。「フィジカル面でもパワー、打球速度、スプリントの力はまだまだ伸びるところもあると思いました」。山積みとしてある課題を自覚している一方で「十分戦える部分は少しでもあるのかなっていう自信にもなったシーズンだったので。そこをもっと魅力を出せるように」と前を向き、さらなるスケールアップを見据えた。
チームはシーズン残り7試合も、クライマックス・シリーズ(CS)、その先の日本シリーズに出場する可能性もある。10月7日に開幕するみやざきフェニックス・リーグなどの実戦でアピールすれば短期決戦の出番が訪れるかもしれない。自身も「1軍の(出場)機会もあるかもしれない。まずは貢献できるように、技術にフォーカスしてやりたい」と気持ちを高めた。虎の背番号9はこんなものじゃない。悔しさも胸に、一流プレーヤーへの階段を1歩ずつ駆け上がっていく。【佐藤究】