今季限りで引退する阪神岩貞祐太投手(35)が9月30日、兵庫・西宮市で会見を開いた。13年ドラフト1位入団で阪神一筋13年。先発で2桁勝利、中継ぎで23年の優勝に貢献と力強く虎投を支えてきた左腕は「毎日当たり前のようにユニホームを着て、準備して試合を迎える。それがどれだけ幸せだったかをかみしめている。結果が全ての世界で、後輩との競争にも勝てなくなった」と潔く決断した。
同期入団の横田慎太郎さんが脳腫瘍(しゅよう)のため19年に引退、23年に他界した。その不屈の姿、無念の思いに奮い立った。「あまり人のために、とかは思ったことないけど、やっぱりヨコのことはずっと思い続けたい。投げ出してしまうのは自分に対しても、野球をやりたかった人に対しても申し訳ないと思った。だから最後までやり切ることを目標としていました」。今後、墓前にも報告予定で「お疲れさまと言ってもらいたいけど『もうやめたんですか?』くらい言ってくるんでしょうね」と目に涙を浮かべた。
22年オフに同期の岩崎とともにFA権を取得したが阪神で優勝したいと残留。翌年、18年ぶりの優勝を果たした。一番の思い出だ。その岩崎と同じく同期の梅野、自主トレをともにする伊藤将、捕手の坂本が花束を渡してくれた。「18年に最下位になって、ものすごく勝ちたい、優勝したいと思いが芽生えた。今でもそういう思い」と語った。6日の広島戦(甲子園)の引退セレモニーでファンに直接、感謝を伝える。誰からも愛された左腕がタテジマに別れを告げる。【柏原誠】
◆岩貞祐太(いわさだ・ゆうた)1991年(平3)9月5日、熊本市生まれ。必由館、横浜商大を経て13年ドラフト1位で阪神入り。14年8月10日広島戦でプロ初登板。16年はセ・リーグ初の初登板から3試合連続2桁奪三振。同年は自身最多の10勝。20年途中から中継ぎ転向し、21年から3年連続40試合以上登板。22年オフ、FA権を行使せず3年契約で残留。背番号を17から14に変更した。16、18年に球宴出場。183センチ、86キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸1億円。