【とっておきメモ】「出会ってなければ終わっていた」楽天荘司康誠の野球人生を左右した分岐点

楽天対ロッテ 7回表を抑え笑顔をみせる楽天荘司康誠(撮影・野上伸悟)

<とっておきメモ>

<楽天3-0ロッテ>◇9月30日◇楽天モバイル最強パーク

楽天荘司康誠投手(25)が、自身初タイトルとなる奪三振王を確実にした。ロッテ戦に先発し8回4安打無失点、8Kで9勝目。リーグトップの三振数を171まで伸ばし、2位の日本ハム伊藤に12個差、3位の西武隅田に23個差をつけた。

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荘司がついに花開いた。これまでの歩みを思い返すと順風満帆ではなかった。「公立高校の受験に失敗して…」と新潟明訓に入学。「たまたま特進クラスに入ったんですけど、勉強についていけず…。2年生から普通のクラスでやってました。いわゆる降格ですね(笑い)」。3年夏はエースとして甲子園を目指すも、県大会はまさかの初戦敗退。聖地とは縁がなかった。

東京6大学の立大に進んだが、全国的に無名の存在とあって、スポーツ推薦ではなく指定校推薦での合格だった。「(高校の)定期テストは頑張ろうと思って評定だけ稼ぎにいきました(笑い)」。セレクションを経て野球部に入部も、当時の最速は130キロ台。入学後は精密検査で異常なしという“謎”の右肩痛にも苦しんだ。

裏方転向の可能性もあった中で2年秋に転機が訪れた。「2つ上でバリバリ投げてた先輩が見てもらっていて、それで話を聞いて紹介してもらいました。巡り合わせですね」。現在も師事する北川雄介トレーナーと出会った。

二人三脚で投球フォームなどを見直していくうちに右肩の痛みもいつしか消えた。「医者的には問題なかったんでしょうけど、投げ方とかいろんな面で問題があって、そういう部分を北川さんに教えてもらってって感じですね。出会ってなければあのまま終わっていたと思います」。野球人生を左右する分岐点だった。

徐々に頭角を現し、夢の扉をこじ開けた。東京6大学リーグ初登板は3年春で、初勝利は4年春。リーグ戦通算2勝ながら将来性を高く評価され、ロッテとの2球団競合の末に22年ドラフト1位で楽天に入団。「その年代で決まるんで。とりあえずスケールの大きささえ示せれば可能性はあると思ってました」。ドラ1での指名を信じて疑わなかった。

プロ入り後も苦悩する期間は長かったが、奪三振王のタイトルを決定的に。エース候補に挙がる遅咲きの大器が4年目で開花した。【山田愛斗】