ロッテ唐川侑己投手(37)といえば、きれいなフォームから繰り出されるカットボールが武器の一つだ。だが、その原点には、思いもよらないきっかけがあった。
「きっかけは、イップスになって、ストレートが投げられなくなって。スライダーなら投げられたんで、そのスライダーを小さくして、今のカットボールに至ります」と経緯を明かした。
苦肉の策だった。「まっすぐ投げられないけど、スライダーなら投げられて。スライダーでその年やったんですけど、あまりにも面白くなかったので。まっすぐみたいな球投げたいなと思って」。スライダーを小さく変化させ、試行錯誤を重ねた先に、現在のカットボールが生まれた。
当時は、それが自身の武器になるとは思ってもいなかった。「思ってなかったですよ。やっぱり、しょうがなく投げてたんで」。それでも、結果的に大きな武器となった。「結局それがこの世界で戦っていける球種にはなったんで。何があるか分からないなというか、諦めないでやって良かったなと思いますね」。
苦境の中で生まれた1球が、唐川の野球人生を支える球種へと変わっていった。【星夏穂】