中日の代走の切り札、樋口正修内野手(27)は来季、代走要員のみならず先発出場との両にらみの目標を掲げた。
「意識を変えることはないですけど、野球選手である以上レギュラーをとりたい。『足を使える人』として、代走で相手のプレッシャーになって終わるだけでなく、スタメンを狙いたい」
3日に1軍公式戦終了後、ナゴヤ球場で自主練習中の樋口。その間、新たに工藤公康氏(63)の監督就任が決まった。15~21年までソフトバンクで指揮を執った工藤氏は19年に当時無名だった周東佑京外野手(30)を起用。同年オフには日本代表としてプレミア12で盗塁王、翌年はパ・リーグの盗塁王に輝き、球界きってのスピードスターへと後押しした実績がある。樋口が俊足の能力を買われれば、ネクスト周東として来季は成長の1年になるに違いない。
もとい、周東は19年に代走を中心に1軍のキャリアを積み上げて20年から先発出場が増加。潮目の変わる来季、新監督にとって足を使える選手は、チーム形成で求められる能力だろう。「どんなやり方であっても、監督の方針に沿った野球をしたいです」と樋口。「環境が変わるタイミングだからこそ、自分の持ち味をしっかり見せることを大事にしたい」。
今季は春先に数字を残した。2戦の先発出場を含む15試合に出場したオープン戦で打率5割7分1厘を記録。2年連続の開幕1軍をつかみ、一時はケガのため登録抹消となったが夏に1軍復帰。代走要員が手薄となり、今季も代走が主戦場で26試合に出場し、打率2割、1打点、10得点。本塁生還を意味する得点は昨季の33試合での2得点から、出場数は7戦減ったが5倍増だ。「打ってアピールすれば、スタメンの可能性はあるかもしれない。『この選手、スタメンで行ける』と思ってもらえるように」。現在の練習は室内、屋外それぞれで打撃練習を実施。走攻守のレベルアップへ、静かにバットを振り続ける。【中島麗】