DeNAが史上初のポストシーズンでの3試合連続完封勝ちで、2年ぶりの日本シリーズ進出に王手をかけた。阪神との「2026 JERA クライマックスシリーズ セ」の第3戦(甲子園)も快勝し、アドバンテージを含めて3勝1敗。巨人とのCSファーストステージから無傷の5連勝と勢いが止まらない。
勝利の立役者はドラフト4位の片山皓心投手(27)だ。相川監督は投手コーチの強い推薦もあり、阪神と対戦のなかった新人左腕を第3戦に抜擢(ばってき)。片山はその起用に一発回答、7回を2安打無失点に抑えて大役を果たした。17年浜口遥大以来、球団新人史上2人目のCS初勝利に「ちょっと今日はできすぎかな」と謙虚に語った。
憧れの聖地で躍動した。日立一(茨城)時代、最後の夏は控え投手。県3回戦で敗退した。社会人ホンダ時代には2度の左ひじの手術も経験し、甲子園は「高校野球で目指した場所」のまま。夢のまた夢だったマウンドで大事な試合を託され、猛虎打線を沈黙させた。「(甲子園での登板を)今日実現できた。なおかつ勝てたのがすごくよかったです」。遠回りしながら目指していた舞台にたどり着き、最高の結果を出した。
27歳の“オールドルーキー”は社会人5年目でプロ入りの夢をつかんだ。ホンダ時代には一発勝負のトーナメントを経験したが、プロの世界はペナントレースでも「毎試合負けられない試合」。だからこそ、この一戦も「特に変えることなく、いつも通り自分がやってきたことを出そう」。気負うことなく、自分を信じて腕を振った。
勝利後、優しく肩をたたき、好投をたたえた相川亮二監督(S50)は「本当に何も言うことがないくらい素晴らしいピッチングだったと思います」と最大級の賛辞を贈った。下克上日本一への通過点、24年以来の日本シリーズ進出まであと1勝だ。【山本佳央】