阪神が、メジャー挑戦の意向を持つ佐藤輝明内野手(27)のポスティングシステムを利用した米移籍容認を検討していることが17日、分かった。今季の佐藤はバース以来球団40年ぶりの三冠王を獲得し、リーグ連覇に大きく貢献。本格的な話し合いは今後行われるが、球団は佐藤の夢を後押ししたい意向もあるとみられる。チームはこの日「2026 JERA クライマックスシリーズ セ」のファイナルステージでDeNAに逆転負けし4連敗で敗退が決定。オフの注目は主砲の去就問題に移る。
◇ ◇ ◇
26年藤川阪神の戦いが終わった。3位からの下克上を目指すDeNAに力負けで4連敗。2年連続日本シリーズ進出の夢は途絶えた。きょう18日から話題はオフに移る。その最大の焦点が、メジャー挑戦の夢を抱く主砲佐藤の去就だ。
今季全試合出場を果たし、打率3割6厘、39本塁打、106打点で球団日本人初の三冠王を獲得。勝利打点は20度を数え、不動の4番としてリーグ連覇に大きく貢献した。23、25、26年の優勝はいずれもその中心にいた。黄金時代を築いた実績を鑑み、球団側は夢を後押ししたい意向もある。
一方で、佐藤が抜ければ大幅な戦力ダウンとなるため、今後本格的な話し合いを行い、最終決断するとみられる。メジャー挑戦となった先をにらみ、佐藤不在となった来季の戦力補強プランも練っているもようだ。嶌村聡球団本部長(59)は「今日の時点で私の方からコメントはありません」と話すにとどめた。
佐藤が初めてメジャーへの移籍希望を伝えたのは24年12月の契約更改。「自分の中で思いが固まったというか、明確に目標として立てたいと思った」と明かした。ただし、佐藤の海外FA権の取得は最短29年オフ。それまでに海を渡るにはポスティングシステムを利用するしかない。だが、選手側の権利である海外FAとは違い、容認するかどうかは球団側が主導権を握っている。昨オフもその話し合いが長引き、佐藤の契約更改が沖縄春季キャンプ直前までずれ込んだ。当時の佐藤は「これからも時間をかけて話し合っていきたい」と語っており、今オフも同様の話し合いが行われる。この日の試合後は「まだ終わったばっかりなので。何も言えないです」とコメントしたが、MLBへの憧れを持ち続けていることを明かした。
阪神残留ならリーグ3連覇に向けて最高の戦力をキープできる。連日メジャー関係者も視察した大砲は来季どこでプレーするのか。球団の決断に注目が集まる。
◆ポスティングシステム 海外FA権の取得前に米メジャーリーグへ移籍できる制度。容認の可否は所属球団が決める。日本球団への譲渡金は選手契約の総額に応じて支払われ、昨オフは巨人岡本和真が4年93億円でブルージェイズ、今井達也が3年83億円でアストロズ、村上宗隆が2年52億円でホワイトソックスと契約を結んだ。一方で西武高橋光成のように、メジャー契約のオファーを受けたがNPB残留を選んだケースもある。現在MLBと選手会は新労使協定締結に向けて協議を続けているが、現在の労使協定が失効する今年12月1日までに合意に至らなければロックアウトに突入。ロックアウト期間はFA選手獲得やトレードは行えず、ポスティング移籍にも影響が出る。
<阪神佐藤のメジャー挑戦直訴からの歩み>
◆直訴 24年12月23日の契約更改で、初めて球団に米メジャーへの移籍希望を伝えた。会見では「自分の中で思いが固まったというか、明確に目標として立てたいと思った。しっかり伝えたのは今回が初めて」と明かした。
◆越年 25年オフの契約更改は越年。ポスティングシステム使用をめぐって長い話し合いが行われた。12月26日に竹内球団副本部長が「越年ということにはなる。越年だからどうというのは全くありません。しっかりと話し合っていきたい」と明かした。
◆合意 26年1月30日、12球団大トリで契約更改。翌31日に春季キャンプが行われる沖縄県内のホテルで会見を行った。出来高払いを含め総額5億円規模でサイン。自費キャンプ寸前で合意し「これからも時間をかけて話し合っていきたい」と今後も球団側とポスティングシステム容認を直訴していくことを明かした。