西武が「支配下選手への戦力外通告なし」という異例の状態で、22日のドラフト会議に臨む可能性が出てきた。
西武は戦力外通告の第1次期間では育成選手のみを対象にし、第2次期間も20日午後6時時点で同通告が行われていない。21日に行われる可能性もあるものの、ドラフト会議前日は例年、球団本部としての業務もスカウト会議に終始することが多い。
決定事項である栗山巧外野手(43)の現役引退に伴い、支配下登録選手数は20日午後6時時点で事実上「69人」となっている。この状態のままだとドラフト会議で2人目の交渉権を獲得した段階で、支配下選手枠「70人」を上回る。
戦略には背景もありそうだ。10月1日、育成2選手に来季契約を結ばない旨を通達した後、広池浩司球団本部長(53)は日刊スポーツなどの取材にこう話した。
「うちもバシッとレギュラーが決まっているわけではないので」
今季はシーズン2位に躍進したが故障者も多く、結果的に支配下登録70人のうち59人が1軍戦に出場した。1軍登板がなかった支配下投手は相次ぐ故障に見舞われた与座と、高卒2年目の狩生のみ。多くの選手が「1軍戦力」になった。
ドラフト会議での新人選手獲得数と、所属選手との契約打ち切り数はリンクすることが多い。複数の球団関係者は「今年は(戦力外の)対象者を選ぶのがかなり大変そう」と証言。特に投手陣は一般的に勤続疲労が発生しやすく、リリーフ陣が2シーズン続けてフル回転できる保証はない。
「フルシーズン」を意識した選手層をしっかり確保するため、野手も含め、フェニックス・リーグにも多くの選手を派遣し、競争とアピールを促している。ドラフト会議まで1週間を切った時点でも、居残り組の練習を凝視する球団幹部の姿があった。可能な限り“見極め”を続けたい思惑が見てとれた。
FA戦線への参入も有力だ。高橋光、平良のメジャー希望を踏まえると、イニング消費も含めた即戦力の先発投手の補強も必須になりうる。30人超の育成選手たちの「成長→昇格」を見越すことも重要だ。今春キャンプイン時の支配下登録数は「66人」だった。となるとドラフトの交渉権獲得人数も踏まえた上で“来季構想”を固め、それに伴った通告を行うことになる。
広池本部長は10月1日時点で「(ドラフト指名の大きな)方針はありますけれど、そこにそぐう選手がいるかはこれから話し合います」と話した。スカウト陣は高校2年生や大学3年生たちもチェックしており、来秋のドラフト市場を見すえて今回の方針を決める可能性もある。熟考状態から想像すると、近年の「6人前後」のドラフト指名というより、「4~5人」を基本線にする選択肢も十分に考えられる。【西武担当・金子真仁】