【西武】忘れられない「これ、ドラ1の球っす」の言葉 高卒5位でも2年後1軍で大活躍の未来が

西武是沢涼輔捕手(2026年2月撮影)

プロ野球ドラフト会議が22日、都内のホテルで行われる。ドラフト1位の事前公表は12球団ともなし。どこが誰をドラ1に-。本番まで緊張感が続く。

しかし、選手たちはいざプロ野球に入ってしまえば、指名順位はそこまで関係ない。ここから半年間での急成長もある。

「これ、ドラ1っす。ドラ1の球っす」

25年春、高知・春野キャンプ。西武是沢涼輔捕手(当時24)の興奮を隠した、しかし確信に満ちた言葉の抑揚が今でも鮮明に印象に残っている。

高卒ドラフト5位、篠原響投手(当時18)のブルペン投球を受け終えてのコメントだ。球団関係者十数人、ファン10人足らず、報道陣1人。そんな中で勢いある直球を、糸を引くように是沢の構えた場所へ投げ続けた。是沢のみならず、多くの関係者が「すごい」と真顔で驚いた。

スカウト歴も長い渡辺智男ファーム投手コーチ(当時57)も「このレベルで高校3年の夏も投げていたなら、1位は分からないけど、例えば2位指名があってもおかしくないレベルだったと思う」と証言する。

福井工大福井高時代は左腕エースがおり、実際の登板機会は同等だったものの、篠原は背番号10が多かった。それでもグッと伸びた。一般的に高3夏の引退後に練習を続けた選手は伸びるといわれるが、篠原は「地元(名古屋)に帰って友達とずっと遊んでいました」と明かす。ただ「そこでいったん、心身休めたのが良かったのかもしれません」とも言う。いわゆる“超回復”の現象が今、球団からも若手育成の一つの方法論として着目され始めている。

篠原は高卒2年目の今季、セットアッパーとして1軍46試合に登板し、34ホールドポイントを挙げた。「入団後1~2年は体力強化に専念」といった高卒選手への定石を軽く超え、1軍戦力としてチームの2位躍進に大きく貢献した。

契約金などが指名順位で変わるのは事実だが、球界の人々が「大事なのは入ってから」と声をそろえるのが、球界の真理。今年もドラフト後に各球団への“採点”が各所で行われるのかもしれないが、2年前、果たして篠原は採点対象に入っていたのだろうか。22日正午時点ではまだ見ぬルーキーたちの、横一線のサバイバルが始まる。【金子真仁】

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