夢への扉が開いた。今オフにポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を目指す西武平良海馬投手(26)が10月31日、ベルーナドームで取材対応。積年の思いが成就したことへの率直な思いを明かした。意中の球団などはなく、必要としてくれるところでプレーしたい考え。メジャーでは先発希望で、目標はサイ・ヤング賞受賞。先発、中継ぎ、抑えの全部門で結果を残してきた“オールラウンダー”は、最強のスターターとなるべく海を渡る。
◇ ◇ ◇ ◇
念願だった平良の夢がかなおうとしている。「単純にうれしいですし、ここから頑張りたいなっていう気持ちです」。引き締まった表情で思いを述べた。球団にメジャー志向を伝えたのはプロ2年目のオフ。ポスティングが認められなくても「球団の権利」と割り切り、結果を残し続けた。長年の功績と熱意が実り「伝え続けたことを認めてもらえたかな」と感慨にふけった。
最高峰の舞台で目指すのは、まっさらなマウンドに立つこと。日本では最優秀防御率、最優秀中継ぎ、最多セーブそれぞれ1回。同一投手がこの3タイトルを受賞するのはNPB史上初の快挙だった。いかなるポジションでも一流の成績を残してきた右腕は、メジャーでは先発を希望。サイ・ヤング賞受賞が目標で「誰もが取りたいと思っていますし、そこに向けてやっていきたい」と思い描いた。
満を持しての挑戦だからこそ、自信がある。メジャーでは12月からロックアウトで全ての契約交渉がストップする可能性がある。それでも「代理人の方も、僕も含めて『みんな大丈夫』だという自信があるので、まったく葛藤はありませんでした」。交渉期間の確保、早期決着のためにも11月1日にも申請を行う見込みで、代理人は敏腕のスコット・ボラス氏が務める。
夢の実現が目の前に迫っているということは、西武退団が決定的であることを意味する。「スタッフの方とか、選手と本当に良い時間が過ごせました。本当に一生の思い出だなと思います」。ライオンズ愛を胸に秘めて、米国へと旅立つ。【水谷京裕】
◆26年ポスティングシステム 海外FA権取得前に米球界に移籍できる制度。申請期間は11月1日~12月15日。手続き後の交渉期間は45日間。12年までは最高入札額を提示した球団が独占交渉権を得たが、現在は譲渡金支払い意思のある全球団と交渉可能。譲渡金は契約総額に応じて決まる。なお、現在MLBと選手会は新労使協定締結に向けて協議を続けているが、現労使協定が失効する12月1日までに合意に至らなければロックアウトに突入。ロックアウト期間はFA選手獲得やトレードは行えず、ポスティングの交渉期限も12月1日に前倒しになる見通しとなった。前労使協定が失効した21年12月はロックアウトに突入し、当時ポスティングされた鈴木誠也(広島)の交渉が中断。22年3月の現労使協定の締結後に交渉再開しカブスとの契約が決まったが、今回は期限自体が短縮となる模様だ。