原監督の直電でグラリ!

 ソフトバンクからFA宣言し、巨人入りが確実な杉内俊哉投手(31)が8日、都内で巨人と初交渉を行った。4年総額20億円と破格の提示に「光栄」と満面の笑み。交渉中に巨人原辰徳監督(53)から電話で口説かれ、名門球団へのあこがれを強めたもようだ。早ければ今月中旬にも巨人入りを表明する。(金額は推定)

 杉内の巨人への思いが強くなった。ソフトバンクの成果報酬型の複数年ではなく、年俸が固定された4年20億円の提示。さらにうれしかったのは、原監督からのサプライズ電話だった。09年の第2回WBCで原監督の下、世界一に輝いたのは今でも忘れられない思い出だ。“恩師”から直接、口説かれ、ぐらりと来た。

 「すごく評価をしていただいた。すごくうれしい。原監督からも電話をいただいて『悔いがない決断をしてほしい』と言われた。緊張したし感激した」

 ソフトバンクとは成果報酬型の年俸制度を巡って対立し、FA宣言した。1年契約なら1億円増の4億5000万円、または4年で総額16億円というオファーを蹴った。ソフトバンクの大型契約より、巨人の提示に誠意を感じた。さらに、ともに世界一をかけて戦った指揮官からのラブコールに胸が熱くなった。

 1時間半の交渉を終え、すでに巨人の一員のような心境になった。巨人側から背番号のこだわりについて聞かれ「特にないです」と答えたという。巨人は既に、野球人のプライドをくすぐるエースナンバーの18番を用意している。

 「今つけている番号はぐっさん(山口)がつけているので。それを奪ってまでというのはない。こちらからは特に要望はしていない。双方に迷惑がかかるので、できるだけ早く決めたい」

 来年度から長男が小学生となり、環境の変化になじむのに時間がかかる不安があった。唯一の懸念材料だった生活面でも、最大の支援を受けることを約束された。代理人で交渉にも同席した酒井辰馬弁護士(45)は「V旅行中(12~18日)にホークスと交渉します」と明言した。その場でホークスに断りを入れる可能性は高く、早ければ、今月中旬にも「巨人杉内」が誕生する。