<全日本大学野球選手権:早大4-0亜大>◇18日◇決勝◇神宮

 ゲームセットはベンチで迎えた。仲間の反撃を信じ、最前列で声を張った亜大(東都)の東浜巨投手(4年=沖縄尚学)の首にかけられたのは銀メダル。「春の日本一を狙える最初で最後のチャンスだった。今までで一番悔しい。初回がすべてでした」。気丈に振る舞っても、紡ぐ言葉は力なかった。

 中2日の登板。休養を挟み体調も良かった。だが先頭打者に安打されるなど、いきなり2死満塁のピンチを招いた。テキサス安打で2点を失うと、次打者にも左前打。野手が処理にもたつく間に3人目が生還した。不運もあったとはいえ、生田勉監督(45)は「エースで主将の東浜の責任。うちは打てないから後手後手に回る」と容赦なく切った。6回にもスライダーで1発を浴び、東浜は7回でマウンドを降りた。

 悔いはある。ただ、持てる力は出し切った。「大会通しては100点。やるべきことはやってきたし、誰も責められない」と東浜。昨秋痛めた右肘も言い訳にしなかった。高3センバツ以来となる全国制覇のチャンスは、秋の明治神宮大会のみ。「まだ発展途上。ここがゴールじゃないので。ラストシーズンへもう1度、引き締めたい」。雪辱を胸に、出直しを図る。【鎌田良美】