ヤクルトに「喜界島のバレンティン」の異名を持つ大型外野手が加わった。ドラフト7位原泉外野手(22=第一工大)は身長190センチ、体重100キロ弱の長距離砲。17日に都内で行われた新入団選手発表会では「長打力がセールスポイント。憧れはバレンティン選手」と声を張り上げた。

 共通項は多い。出身地の喜界島は、バレンティンの故郷のオランダ領キュラソー島と同じ離島。コンビニも信号機も1つずつしかないという自然に囲まれた場所での遊びといえば、水泳や魚釣りに野球だった。その中でも野球に夢中になった。理由は「もっと遠くに飛ばしたい」。少年時代のバレンティン同様、本塁打の魅力に取りつかれた。

 喜界高時代は投手だったが、140メートルの場外弾を放つなど大好きな打撃で周囲を驚かせた。第一工大1年夏から野手に専念。直後のオープン戦で2本塁打を放ち、打者でプロに行くと目標を決めた。だが当時の体重は85キロ。「プロに行くには体を大きくしないと」と1日4~5食、筋トレ後には白米にふりかけをして食べる生活を続け、4年間で約15キロ増量した。原いわく「腹筋の数値が他の人より2~3倍」という怪力を武器に、3年春には4試合連続本塁打を放つ大砲となった。

 野手歴4年と成長過程なだけに、来春キャンプは2軍スタートの方針だ。それでも「早くバレンティン選手を目で見て近くで学びたい。スペイン語、覚えようかな」とシーズン60本塁打の日本記録を持つ“本家”との初対面が待ち遠しい様子だ。真中監督は「こぢんまりせず、思い切って本塁打を打てるようになってほしい」とスケールの大きな打者になるよう期待した。

 原が目指す打者像も同じだ。「詰まっても運べる打者になりたい。人より少しでも遠くに飛ばせるように頑張りたい」。離島から球界屈指の長距離砲へと続く、バレンティンと同じ道を目指す。【浜本卓也】

 ◆喜界島(きかいじま)

 鹿児島の南約380キロ、奄美大島の東約69キロに位置する、奄美諸島の1つ。面積56・94平方キロ。人口は約7500人。産業はサトウキビが中心。僧俊寛が流された島として、また桃太郎の鬼退治の舞台になった島として知られている。同島出身のプロ野球選手は、元広島の高橋英樹投手と元西武の美沢将内野手がいる。