ドミニカ共和国の初優勝への原動力となったのは、大会にかける「情熱」だった。

 2009年の前回大会は1次ラウンドで敗退。試合前日にパーティーを開くなどチーム全体が緩んでいたが、今回は違った。

 昨夏にチーム編成が始まると強打者カノ、レイエスら有力選手が代表入りを申し出た。屈指の大リーガーたちが本気で勝ちにいった。

 オフ期間、多くの選手がウインターリーグでプレーして早めに体を仕上げ、万全の状態で大会を迎えた。その姿勢は大会に入っても変わらず、野手はカノ、投手はドテルが中心になってコンディションの調整を促した。マイアミからサンフランシスコに移動した翌日の17日は休養日だったが、選手たちは希望して練習を行った。

 カノは「ドミニカで野球は生活の一部。食事を取るのと一緒。国民のために、絶対に勝たなくてはいけなかった」と言葉に力を込める。国民の期待を背負い、無敗で頂点を極めた。