広島菊池がサード守備 WBCに向け仕上がり順調

紅白戦の6回表、三塁の守備位置でファウルゾーンへの打球を追う菊池(撮影・菊川光一)

 世界一へ視界良好。広島菊池涼介内野手(26)が19日の紅白戦で三塁守備に就いた。実戦で三塁を守るのは、プロ1年目の12年9月27日巨人戦以来。守備機会は1度だけだったが、本職の二塁と変わらぬ動きで痛烈な打球を処理した。打撃でも1安打に進塁打と本領を発揮。WBCへ向け、仕上がりは順調そのものだ。

 痛烈な打球が三塁を襲った。二塁では見ることのない打球にも、菊池の体は反応した。体を後方に倒しながら好捕し、すぐに起き上がり一塁へストライク送球。軽快な動きは、慣れない三塁守備でも変わらなかった。

 「打球の距離感。送球の距離感。(二塁との違いは)そういうところ。体で止めてしまえば。捕ってしまえばこっちのものと思ってやっていきたい」

 今キャンプ2度目の紅白戦。5回表から三塁の守備に就いた。守備機会が訪れたのは、特別ルールにより最終回の7回だ。庄司の打球が飛んできた。「左打者の逆方向への打球の距離感は違う」と感じながらも、自然と体が動いた。

 二塁守備は4年連続ゴールデングラブ賞受賞の名手。侍ジャパンには2年連続トリプルスリーのヤクルト山田がいるため、二塁のポジションは確約されていない。小久保日本代表監督からは三塁で起用する可能性も示唆されている。春季キャンプでは2日目から三塁でのノックを受けてきた。実戦での三塁出場は1年目の12年9月27日巨人戦(マツダスタジアム)の1度のみ。高校3年間と大学1年まで本職にしていたとはいえ、5年ぶりの実戦守備で見事な身のこなしだった。

 打撃でも3回にドラフト1位の加藤拓也投手(22=慶大)のスライダーをきれいに中堅前にはじき返した。5回1死二塁では、二ゴロで走者を進める持ち味も発揮。調整段階ながらすでに実戦を意識した打撃に「点につながって良かったです」と思わず笑みを浮かべた。

 明日21日の休日を挟み、22日は宮崎・日南での2軍キャンプに一部参加し、侍ジャパンに合流する。WBCへ向けた代表合宿前最後の実戦で、攻守に順調な仕上がりぶりを印象付けた。【前原淳】