大谷4号9戦5発 WBCは「いつか出るのが夢」

巨人対日本ハム 5回表日本ハム1死、大谷は左越えにソロ本塁打を放つ(撮影・小沢裕)

<オープン戦:巨人2-11日本ハム>◇23日◇東京ドーム

 国内のプロ野球を、圧倒的な打撃力で盛り上げる。日本ハム大谷翔平投手(22)が、巨人とのオープン戦(東京ドーム)で、12球団トップタイとなる4号本塁打を放った。5回1死、巨人大竹寛のスライダーを、逆方向となる左翼スタンドへたたき込んだ。右足首痛でWBCに出場できず、大きく出遅れたが、復帰後9戦で5本塁打(2軍戦含む)と圧巻の内容。1週間後に迫った31日の開幕戦(対西武、札幌ドーム)へ向け、視界はクリアに広がっている。

 東京ドームに歓声が戻った。大谷がバットで、野球ファンに興奮を届けた。WBC1、2次ラウンドの舞台・東京ドームで行われた、大会後初のオープン戦。5回、巨人大竹寛の122キロスライダーを、ライナーで左翼スタンドにたたき込んだ。「真ん中でしたけど、しっかり自分のスイングができたと思います。それなりに集中して打席に入れていると思います」。夕方には侍ジャパンのメンバーが帰国。その夜に、国内野球の主役を堂々と張った。

 右足首痛の影響でWBCは不参加。キャンプ中もリハビリ生活が続き、実戦復帰は今月11日の2軍戦までずれ込んだ。だが復帰後9試合で早くも5本目のアーチ(2軍戦2試合含む)。「(本塁打を)意識はしていないけど、常に強いスイングを心掛けています」。オープン戦はわずか7試合の出場ながら、4本塁打で12球団トップタイと量産態勢に入っている。

 各国が激闘を繰り広げたグラウンド。ジャパンのユニホームで立てなかった悔しさは残っている。「出たいという思いでやってきた。いつかああいう舞台で出るのが夢」。追い求めてきたものは、また将来の目標へと変わった。いまは今季の連覇のために、チームに貢献すること。投手としては登板のメドも立っていないが「できない分、考えることは多い」。これだけバットで結果を残しながらも、投手思考が頭から消えることはない。

 3月31日の開幕戦(対西武、札幌ドーム)まで残りは1週間。「いまは開幕に向けて打席に立たせてもらっている。使ってもらえるなら、その場その場でやっていきたいです」。世界に誇れるスーパープレーヤーが、熱狂のシーズンへ向け、着々と準備を整えている。【本間翼】

 ▼日本ハム大谷が、23日の巨人戦(東京ドーム)でオープン戦トップタイとなる4号ソロ。出場7試合24打席目での4号で、4本塁打で並ぶDeNA白崎(15試合41打席目)、ロッテ・ダフィー(14試合43打席目)、阪神高山(15試合68打席目)を大きく上回るペースで打っている。