<プロボクシング:IBF世界フライ級タイトルマッチ12回戦>◇6日◇愛知県国際展示場
IBF世界フライ級王者矢吹正道(33=緑)が、2度目の防衛に成功した。同級3位レネ・カリスト(31=メキシコ)と対戦し、1回に2度のダウンを獲得。主導権を握って判定3-0で勝利した。運営会社の撤退など開催決定まで揺れた興行を勝利で締めくくった。今後は「チャンピオンとやりたい」と発言。他団体王者との統一戦、3階級制覇を見据えて、念願のビッグマッチへ歩を進める。
◇ ◇ ◇
初回の矢吹のパンチの切れ味は絶品だった。ダウンを奪った右の打ち降ろしは強烈で、この選手は本当にパンチが強いとあらためて感じた。挑戦者のダメージも深く、普通なら序盤で決着する展開だ。ところがカリストのタフネスと精神力は想像以上だった。
王者が試合後に「目に見えない強さがあった」と話していたように、カリストは矢吹の左ジャブに合わせて右クロスカウンターを狙っていた。さらに右アッパーも合わせていたので、矢吹はカウンターを警戒しすぎて慎重になり、挑戦者も息を吹き返した。
中盤以降は相手のプレッシャーに矢吹が後ろに下がるシーンもあったが、持ち味でもあるスピードに乗った鋭い左ジャブを有効に突いて、決定的なパンチをもらわなかった。パンチ力に加えて、左ジャブにスピードと切れがある。それが彼の強みだろう。
矢吹のパンチ力なら3階級制覇も十分にいける。減量から解放されれば、自慢のスピードがさらに際立ってくるはずだ。同じ興行でIBFスーパーフライ級王座を奪取したモロニーに挑戦すれば十分勝機はあるだろう。(元WBA、WBC世界ミニマム級王者)