プロボクシング前WBO世界バンタム級王者武居由樹(30=大橋)が世界初挑戦を控える「弟分」にエールを送った。
同門となる元キックボクサーのWBA世界ミニマム級2位石井武志(26=大橋)が2日、横浜BUNTAIで同級3位の元WBO同級王者ウィルフレド・メンデス(29=プエルトリコ)との同級王座決定戦に臨む。
武居がK-1スーパーバンタム級王座を返上し、20年12月にボクシング転向した直後の21年春、自らを追うように福岡から上京してきた石井の性格を知り尽くす「兄貴分」は、自然体で世界戦に送り出すつもりでいる。
「いつか(石井も)世界戦を組んでもらえるだろうと思った。本当に頑張ってきたし、ずっといつも一緒にいる。あらためて言うことでもないし、結構、昔からそんな感じ」
高校卒業後、石井がキックボクサーとなった後、武居の所属するジム、パワー・オブ・ドリームの合宿に参加し、2人は出会った。結果的に武居は石井のボクシング転向&大橋ジム入門の“橋渡し役”となった。福岡から上京した石井を出迎えたのも武居だ。昨秋からは同じ元世界3階級制覇王者・八重樫東トレーナー(43)の指導を受けている。
「自分がボクシング転向し、すぐぐらいに武志が来た。足立区(のパワー・オブ・ドリーム)でも一緒に練習したり。ちょっと前にチーム八重樫に入って。本当にずっと一緒にいるから弟みたいな存在。あいつがコツコツ頑張ってきたことも知っている。自分よりも全然、努力家。あとは結果を出してくれれば。普通にやればいけると思う」
石井の1つ持ち味は「ミニマム級では世界一」とされるフィジカルだ。八重樫トレーナーのハードなフィジカル練習、武居と一緒にパワー・オブ・ドリームの体力トレにも参加。さらには昨秋から個人的にフィジカル練習可能なジムに入会。1日の前日計量では筋肉量、体の厚みがメンデスとは段違いだった。武居は言う。
「フィジカルの強さがある。加えて根性がすごくある。その根性でここまでやってきたし、実を結ぶと思う。練習でやってきたことをそのまま試合で出せるタイプだし、きっと下がることもない。ただガンガン前にいくスタイルでやるし。どこかでKOシーンがあるのではないかと思う」
石井にとってプロ初のサウスポーとの試合。それが初世界戦でぶち当たった。同じサウスポーの武居はマスボクシング(軽めのスパーリング)で「左対策」を伝授している。「ここで武志が世界を取ってくれたらうれしい」と願いながら。武居自身も今年5月の東京ドームでの再起戦以来となる試合を年内に計画中。着々と世界王座返り咲きへの準備を進めている。
「こうやって武志が世界戦が決まって刺激になる。これまで武志が自分を追いかけてきたけど、今度は自分が追いかける気持ちにさせてくれている。武志がリングに上がる時に『いってこいよ』ぐらいは伝えるつもり」
武居に続き、大橋ジム6人目の世界王者を目指す石井。武居は決戦のリングに上がる「弟分」の背中を最後に押す。