敗れた那須川天心「何が何だか分からない。これだけやっても無理か」/コメント全文

試合後の取材に応じる那須川天心(撮影・河田真司)

<プロボクシング:WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦>◇27日◇トヨタアリーナ東京

WBC世界バンタム級1位の那須川天心(28=帝拳)が同級王者井上拓真(30=大橋)との約10カ月ぶりの再戦で敗れた。0-3の判定負けを喫した。

試合後の一問一答全文は以下の通り。

—ポイントについてはご自身ではどう感じていたか

優勢と言いますか、自分の中ではすごく全てやったぞという感じが出たのではないかなと思いました。

—最後まで前に出続けて、パンチも出し続けて、自分の中では勝ったという感じだった

そうですね。ポイントとか周りから見ている人には分からないですけど、体感していてすごく腹も効いていたし顔もすごく嫌がっていたし、ダメージ的にも嫌がっていたので、本当にボクシングで負けたなという感じです。すごく全部出し切りましたけど、そんな感じです。

—7ラウンドのダウン、あそこを一気に詰め切れなかったのが、振り返ってみて悔しかったか

というのもありますし、あともうちょい詰めたかったなというのはありますね。

—(ダウン奪った)あのパンチはちょっとボクシングとは違うアクションから打った左ストレートに見えたが、あれは狙っていた準備したパンチだったのか

色んなパンチ、色んなことを想定してやっていたので、打ち下ろすというか下から打ちました。あの時の発想で出たパンチだったんじゃないかと思います。

—最初の4ラウンドはもうちょっと行くかなと思ったのですが、意外に受けていた

そうですね。しっかりポイント、向こうは絶対ボクシングしてくるだろうなと思ったので、僕もちゃんとそこで負けちゃいけないなというので駆け引きをしていたんですけど、そこでポイントを取られたんですね。ボクシングで負けたなという感じです。

—出し切ったとおっしゃいましたけれど、リングを降りて涙を流されているのも見えましたが、あの時の感情は

悔しいですよね、もう。今も何が何だか分からないですね。ここまで本当に毎日やって、ここまでこれだけやっても無理かというのは非常に思いますよね。表で見えているとこって自分が立ってるところしか見られていないところで、自分は誠心誠意に戦いに向き合ってきて、日々練習もしてきましたし、周りもたくさん応援してくれている人もいるし、負けという結果が出たのはすごく悔しいですし、分からないですね。

—まだ負けを受け入れられないか

受け入れられないというか、そうですね。分からないですね。

—控え室でお父さんにはどんな言葉をかけられましたか

「今までで一番良かったぞ」と言われました。

—負けてまず悔しさが出てきたという記憶があるのですが、今回はそれとは違う感情か

いや、悔しいですよ。めちゃくちゃ悔しいですよ。悔しいというか、これだけやっても無理かという感じです。

—自分のボクサーとしての限界を感じてしまったということか

限界というか、限界は感じてないですよ。だってダウンも取ったし。自分の中では本当に負けた気はしていないんですよ。ボクシングで負けた、ボクシングで負けたって感じ。ポイントゲームで負けた感じです。

—葛西さん自身は判定についてどう計算されていましたか

(葛西トレーナー)最初の4ラウンドの採点を聞いてびっくりしましたね。前回の試合、自分立ってないけれど、ビデオを見ていて、あれは2つ悪くてドロー。3ポイント取れているかなと見ているのが、今回は逆に、ある意味逆の感覚。向こうはドローでもしょうがないかなと思っていたくらいなんです。でも3ポイント取っているのかなと。同点でもしょうがないかなと思っていたところ。だけどこの試合、想定、思った通りの試合展開だったので、こんなふうに引きずり込んで、本当だったらあの場面でダウンで終わりだったと思うんですけど、あれはやっぱり拓真チャンピオンの精神力で生き延びさせてしまったので、さすがだなと思います。

—葛西さん、思った通りの展開だったというのをもう少し詳しく教えていただけますか

(葛西トレーナー)判定になるなら、途中ダウンを取って、判定勝ち。勝敗は想定外でした。けど途中細かいラウンドはあるんですけど、雰囲気も出ていたし、リングジェネラルシップを取れていたのかなとは思っているんですけどね。そうしたらやっぱり1ラウンドからもっと倒しに行かなきゃいけなかったってなるし、それだと12ラウンド戦うボクシングの戦い方にできないんでね。色々それなりのイメージだったんですけど。残念ですね、ダウン取っておいて負けちゃう。でもそれもダウンも前半のうちだったんで、ダウン取ったってことはそのまま優勢でポイントがついてくるはずなんだけど、ポイントがマイナスポイントだったから、それは自分の中で難しかったですね、今回。

—セコンドとしては主導権を握っているという感覚はあったか

(葛西トレーナー)主導権はこっちだと思って。やっぱりあのアグレッシブなチャンピオンが引いてましたからね。最後の方にちょっと責めてきたりするのは上手い巧さだなと。それはチャンピオンだからやっぱりさすがだなと思います。

—出し切れたという感覚があって、ボクシングで負けた、ボクシングに対する思いはどうか

難しいです、ボクシング。こんなに難しいかと思いますね。倒すだけがボクシングじゃないんだな、ダメージだけがボクシングじゃないんだなっていう、ちょっとしたポイントだったりとか優位に見せるとか、そこの学びが必要なのかなというのは思いましたね。

—やっぱりまた一回、経験の差を感じたか

経験なんですかね。経験ですかね。そうですね。実力不足ですね。

—今回リング上であまり拓真選手と会話していなかったように見えた

もう2回戦ったので、リングの上でやっているので、話すことはないです。

—これは自分の中で3回目はもうない?

分からないです、もう。すぐ次どうとか考えられないです。分からないです。

—やられる覚悟がないとやりに行けないというのはある

そうですね。だからこそお互いナイスファイトになった気もするし、だからこそダウンも取れた気もするし。自分の気持ちというか、自分の格闘技ができたんじゃないかなとは思立ちます。

—難しいと感じたボクシングに、また明日からも今までと同じ気持ちで向き合っていけるという感じか

分からないです。分からないです。ボクシングに対する向き合い方とか考え方すらも、とりあえず分からないですね。今口にはしたくないですね。

—自分の中で同じ相手に2回負けたということについては

そうですね。2回負けました。ちょっといろいろ考えますね。

—今回周りの声に支えられてここまで来られたとおっしゃっていましたが、今日の歓声もすごかったですが力に変わったか

そうですね。本当に助けられましたね、助けられたし、最後の一押し、最後に前へ自分が出られたのも皆さんの声援がすごく力になった。胸を張って堂々と生きていきたいなと思いました。

—8ラウンドでジャッジ3人に取られた。ダウン取って天心選手の流れになっていくところを向こうに行っちゃった、その辺は振り返って

そこでポイントが取られたというのが、自分ではなかなか理解ができないところはあります、正直。終わって試合を見てみないと分からないところもあると思うんですけど。本当にボクシング難しいなというのが改めて思い知らされるところではありますよね。ちょっと分からないですね。

—顔はきれい

そうですね。

—体感としては、やられた感じがないということか。ボクシングという競技の中では負けたけれど

自分ではやられた感じはないです。そこは自分のやりたいようにではないですよ。もちろん「これちょっと取られているかもな」と思ったところもありますけど、全体を通してすごく前より成長した自分は見せられたんじゃないかなと自分でもやっていて思いましたし。まだまだこんなもんじゃないなとは思います。

—分からないボクシングでやりたいという気持ちはまだある

どうなんですかね。分からないことだらけですね。どうしたらポイントが取れるのかちょっと分からないですし。僕の場合はポイントを取ってボクシングをやろうというプランはあんまりなかったと言いますか、ない。倒したかったので。その姿勢を投げ出しちゃいけないですから。プロのボクシングですからね。プロの姿勢というところというか、自分として提示したいというところで、行き過ぎてしまった部分があったのかなと思ったり。

—ボクシングが難しいというのは、判定のとまどいというか、今まで感じたことのない難しさがあるということか

判定というかポイントの取り方だったりとか。自分も甘い部分もあるし、思っている自分だけじゃないというか、皆さんも色々「あれ?」と思うことがたくさんあると思うので。ただそれだけです。

—7回に一気に詰めようとするというよりは?

しっかり下から崩していこうとは思いしたね。向こうの目線も狙って。

—8回に引きながら戦っているように見えたのは、ポイントが実態と離れていたからそういう戦い方になったのか

どうですかね。ポイントはそこまで考えていなかったです。自分の見た目では分からないですからね。

井上拓真、那須川天心を返り討ちしV2防衛/ラウンドVTR>>