リングにかける男たち

中邑真輔をさらに魅せる日本のプロレス知り尽くす男

名コンビぶりを発揮するインターコンチネンタル王者中邑(左)とゼイン(C)2019 WWE, Inc. All Rights Reserved
名コンビぶりを発揮するインターコンチネンタル王者中邑(左)とゼイン(C)2019 WWE, Inc. All Rights Reserved

プロレス界にはリングに立つマネジャー、代理人、スポークスマンがいる。その呼称はいろいろあるものの、選手の存在感を際立たせるために欠かせない人材だ。そして今夏以降、WWEインターコンチネンタル(IC)王者中邑真輔(39)には、サミ・ゼイン(35)という存在がいる。

さかのぼること8月の米スーフォールズ大会。スマックダウンの人気コーナーで、ザ・ミズがホストを務める「ミズTV」にゲストとして出演したゼインが「オレの助けを必要としている男がいるんだ」と、中邑は呼びこまれた。

ミズから「IC王者なのに、なぜサミ・ゼインとつるんでいるんだ?」と疑問を投げかけられる中邑だが無言のまま。代わりにゼインは「シンスケは日本人でアーティストだが、心の中のメッセージを完全に伝えられないことに苦痛を感じているんだ。オレにはその気持ちがよくわかる。シンスケと話したければ、オレを通せ」と切り出した。

ゼインの一方的な説明に疑問を感じたミズに念押しで「本当にゼインに代弁させるつもりか?」と説得された中邑は無言のまま、ミズを制し、ゼインとの連係でKOしてしまった。以後、中邑はインタビューの質問には、わざと日本語を使用し、残りはゼインが「代弁」。WWEデビュー戦の対戦相手との連係で、試合時にはセコンドにも招いてIC王者ロードを突き進む。

リング上でゼイン(右)とともにアピールするインターコンチネンタル王者中邑(C)2019 WWE, Inc. All Rights Reserved
リング上でゼイン(右)とともにアピールするインターコンチネンタル王者中邑(C)2019 WWE, Inc. All Rights Reserved

ゼインはWWE加入以前のROH時代には丸藤正道、飯伏幸太らと対戦し、ドラゴンゲートやDDTで来日済み。日本のプロレスを知り、プロレス技術も抜群。かつコメディアンとしても活動する一面も併せ持つ。日本人を知り、日本のプロレスを知る冗舌なヒゲ男のアシストは中邑の雰囲気にさらなるエッジを効かせている。

今、WWEヘビー級王者ブロック・レスナーにはポール・ヘイマンが代理人を務める。WWE加入したレスナーのライバルで元UFCヘビー級王者のケイン・ヴェラスケスには、レイ・ミステリオJr.がセコンド役を務める。過去にはジ・アンダーテイカーやケインにはポール・ベアラーがマネジャーとして登場。国内ではストロングマシンに悪役マネジャーの将軍KYワカマツが付き、最近ではオカダ・カズチカにスポークスマンとして外道がついたことは記憶に新しい。いつもブレークする選手には「冗舌な助っ人」が不可欠なのだ。

英語が流ちょうな中邑にとって、自身の言葉で表現できないもどかしさも時にあるだろう。一方で、中邑には他のレスラーにはマネできない独特のパフォーマンス力を持っている。入場からファンを盛り上げ、リングでも「魅せる」ことができる。17~18年にあと1歩届かなかったWWEヘビー級王座への道。IC王者としての地位を確立しつつあるゼインとの絶妙コンビが、中邑にとって今後の起爆剤になるのではないかと想像している。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける男たち」)

セコンドにゼイン(左)を入れ、インターコンチネンタル王座の防衛に成功する同王者中邑(C)2019 WWE, Inc. All Rights Reserved
セコンドにゼイン(左)を入れ、インターコンチネンタル王座の防衛に成功する同王者中邑(C)2019 WWE, Inc. All Rights Reserved

日刊スポーツのバトル担当記者のとっておきコラム。プロレス、ボクシング、総合格闘技の現場からお届けします。

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