47歳差の世代交代!? 11日目の打ち出し後、西の支度部屋。不戦勝の横綱白鵬のまげを直しているのは、17歳の五等床山、床竣(宮城野)だった。入門時から白鵬のまげを結ってきた特等床山の床蜂(64=宮城野)が、今場所限りで定年退職。床蜂から「経験した方がいい」と抜てきされた。部屋で横綱のまげを結ったことはあるが、本場所では初めて。「夢がかなった」と、目を輝かせた。

11日目、白鵬(手前)のまげを結う床竣
11日目、白鵬(手前)のまげを結う床竣

鳥取・湖東中を卒業して昨年5月から部屋に住み込み、今年の2月に協会から採用が認められた。幼い頃からテレビを通じて大相撲に興味を持ち、中2だった16年に鳥取市出身の石浦の新入幕パーティーで白鵬と出会った。当初は呼び出しを希望していたが、部屋から「いま床山が少ない」と言われ、宮城野部屋に体験入門。床蜂の洗練された仕事を見て、床山として入門することを決めた。

床蜂によると、白鵬の大銀杏(おおいちょう)を担当する“後継者”は未定。それでも、初めて本場所でまげを直すと横綱から「これからよろしくね」と声を掛けられ「身が引き締まりました」と床竣。偉大な大横綱に、少し認められた気がした。【佐藤礼征】