荒汐部屋の看板猫「ムギ」が5日に死んだ。部屋の若い衆によると7月に容体を崩し、足に腫れが見られたという。最初に連れて行った病院では「肉離れ」と診断されたが、食欲が出ないなど体調が回復せず、他の病院での検査で悪性腫瘍と判明。部屋でムギと最も仲が良かったという福轟力は6日、ツイッターで「肺の腺癌でした」とつづった。ムギは同じ飼い猫の「モル」とともに荒汐部屋で暮らしていた。テレビやSNSで紹介され人気を博し、16年にはモルとムギ、部屋の力士が登場する写真集「荒汐部屋のモルとムギ」(リトル・モア社)が発売されるなど、一部でブームを巻き起こした。

突然の別れに部屋で一番の兄弟子、十両蒼国来(35)は「悲しいね。本当に何を言っていいのか分からなかった…」と肩を落としていた。涙を流す若い衆もいたという。その影響か、蒼国来によると「みんな気合が入っている。特に幕下が調子が良くて、期待大だね」と熱弁。部屋全体で4日目終了時点で15勝11敗と白星が先行。天国に旅立ったムギのためにも、活躍を届けたい荒汐部屋勢だ。

【佐藤礼征】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)