20年の本場所も、残すところ1日となった。徳勝龍の幕尻優勝で始まり、新型コロナウイルスに振り回された1年。21年の大相撲はどうなるのか-。日本相撲協会で講習会などを開いてきた、東京大医科学研究所の四柳宏教授が分析した。

春場所は史上初の無観客開催、7月と秋場所は1日あたり約2500人の上限を設けた。11月場所では両国国技館の定員の半数にあたる5000人に設定。「場所中に力士の感染がなく、お客様からも連絡がなかった」と本場所期間中に協会員や観客の感染が確認されなかったため、増員を決めた。また協会が、場所前後に段階的に各部屋に通知してきた、外出自粛などを盛り込んだガイドラインが効いているという。

ではファンが、角界が待ち焦がれている満員御礼の光景はいつ見られるのか。「道筋は立っていないが、まずは地方場所が国技館での開催同様、安全にできることを確認してから」と地方場所の成功が鍵を握るとした。協会は来年3月の春場所の、大阪開催を目指している。全国での流行状況にもよるが、協会員やファンや我々が、感染対策を怠らずに過ごすことが日常を取り戻す1歩になる。【佐々木隆史】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

無観客で開催された春場所初日、協会あいさつする八角理事長(中央)(20年3月8日撮影)
無観客で開催された春場所初日、協会あいさつする八角理事長(中央)(20年3月8日撮影)