【KNOCK OUT】重森陽太がセーンマニー戦で得た自信と反省「憧れていたのかもしれない」

セーンマニーに勝利した重森陽太(左)

<打撃格闘技KNOCK OUT「KNOCK OUT.69」>◇23日◇東京・後楽園ホール

セミファイナル(第12試合)のKNOCK OUT-RED -63キロ契約3分3回で、“神撃キッカー”重森陽太(31=KNOCK OUTクロスポイント吉祥寺)がムエタイレジェンドであるセーンマニー・ノープムマリン(29=タイ)と対戦。3ラウンドを通じてインローなどの巧みな蹴り技と距離の支配で主導権を握り、判定3-0(30-29、30-28、30-28)で勝利した。

試合後のインタビューで重森はまず、レジェンド相手の勝利を喜びつつも、セミファイナルという立ち位置とKOを逃したことへの悔しさを口にした。

「この相手に勝てたということが一番大きいところなのかなと思っていますが、やっぱりメインイベントを私に任せてもらえないというのは、こういうところなんだろうなという思いがありました。KNOCK OUTが求めていることはKO勝ちで、どんな強敵が来たとしても、しっかりとKOで締める選手をメインイベントに持ってくるというのはやっぱりあると思うので。次の目標はそこですね。山口(元気)プロモーターの想像の1個上をいくような試合をしなければいけないなと思っています」

実際に拳を交えたセーンマニーの印象を問われると、重森は相手の実力以上に、自分自身の心の内にあった「先入観」を最大の反省点に挙げた。

「先入観が強すぎたなというところがありました。昨日の記者会見の時に大谷翔平選手の『憧れ』の話が出ました。それで私は『そこは憧れないんですよね』という話をしましたけど、やっぱ憧れていたのかもしれないですね。『蹴っても当たらないだろう』『蹴りをカットできないだろう』『蹴り合いじゃ勝てないだろう』といった先入観がやっぱりあったせいで、それがなければもっと自由にムエタイができたんじゃないかなと思っています。自分が想定していたセーンマニー選手と私の差は、実はそんなに大きくなかったなと終わってから気づいて。だから、憧れていたんですね。ダメですね。そこがKO勝ちにつながらなかった、圧勝できなかった敗因かなと思います」

試合終了直後、リング上でセーンマニーと言葉を交わした場面については、笑顔を見せてこう語った。

「褒めてくれました。うれしいですね。憧れちゃいけないですけどね(笑い)。スーパースターにそういった言葉をかけてもらって。アスリートは競い合って、勝った人たちがどんどん上を目指していく過酷で残酷なレースなんですけど、そこで私が今日勝ったということは、セーンマニー選手の道の先に一歩踏み込めたのかなと思っています。背中を押されるようなエールというふうに私は捉えています」

また、前日会見で口にした「あと6年」という現役生活において、この一戦が持つ意味については大きな手応えを口にした。

「この一戦は自分の自信につながったと思います。ムエタイのレジェンドと蹴り合うことができた、割とムエタイができたなという手応えは感じられたので、今後は自分が蹴り負けるとか、ムエタイ技術で負けるとか、そういうふうに思うのはもうやめます。絶対に戦えるという自信に今日は変えて、さらに上のステップを目指せればいいかなと思っています。辞める時に『まあセーンマニーに勝ったしな』『よくやったな俺』と思えたら一番かなと思いますね。なんかちょっと心が楽になったような気もします。まだまだやることいっぱいあるんですけどね(笑い)」

試合後インタビューの最後には、ファンへの感謝とともに、KNOCK OUT-REDライト級王座への返り咲き、そして同階級で活躍するチャド・コリンズとのWBCムエタイ世界タイトルマッチ実現を力強くアピールした。

「私の目標はあくまでもKNOCK OUT-REDのライト級チャンピオンにまた返り咲くことになりますので、どんな形であれ、またタイトルを争えるように、これからもKNOCK OUTを盛り上げていきます。また、チャド・コリンズ選手も今ライト級で活躍してくれているので、ぜひチャド・コリンズ選手とはWBCムエタイの世界のタイトルをかけてやれたら一番面白いんじゃないかなと思っています。ライト級はまだまだ盛り上がっているので、私もその中の主役になれるように頑張ります」