「ナオヤ世代」の雄がまた1人、プロの扉をたたいた。ボクシングの大橋ジムに1日、今春卒業した芦屋大4年で関西リーグMVPを獲得した中嶋一輝(23)が加入した。

 アマ戦績は72勝(30KO)15敗。大学3年では国体も制した有望株だ。右利きのサウスポーは、「前の手(右)をよく使います。右フックが自信あります。型があまりないのがスタイル」と自負した。

 小6で始めたボクシング。右構えを左に変更した理由が、大橋ジムとの縁を感じさせる。「中1の時に最初の試合で、ボコボコにされて、右ではダメだなと思ったんです」。その相手は、2階級制覇の現WBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(23=大橋)。当時から将来を嘱望されていた「怪物」に厳しい現実をみせつけられたのだが、巡り巡り、その10年後には大橋ジムの同門となった。「良い刺激です。追いつきたい」と志す。

 もともとは奈良朱雀高を卒業したらプロになると決めていたが、芦屋大の樋山監督に誘われて大学を経由した。「技術もあがったし、そのままプロになっていたらもう引退していたかも。いろいろ勉強になった」と、この4年間の経験を糧にする。春先にはプロテストを受験し、バンタム級を主戦場にする予定。大橋会長は「パンチ力もあるので楽しみ。高校でも尚弥に負けた悔しい思いがある。4年間で力をつけてきたと思う。だいぶ伸びてきている」と期待を寄せた。