プロボクシング元世界3階級制覇王者の八重樫東(34=大橋)が14日、埼玉・春日部市の児童養護施設「子供の町」を訪問し、子どもたちを対象とした講演とボクシングの実技を披露した。

 八重樫が交流を持つ同市のアマチュアジム「佐藤ボクシングフィットネスジム」佐藤賢治代表の橋渡しで実現したもので、小、中、高校生の計25人を対象に夢の持ち方などを熱く指南した。

 自らが野球やバスケットボールを経てボクシングに転向し、世界王者に上りつめた経歴を明かし「夢は何度変わってもいい。1つダメになっても別の夢がかなうかもしれないから」と優しい口調で語った。

 講演後には持参したWBCベルトも公開し、グローブを装着し、軽めのボクシング体験にも応じた。もっぱら殴られ役だった八重樫は「子供は体を動かすことが仕事ですから。講演よりも一緒に動く時間が長い方がいい」と気持ちよさそうに汗を流した。

 今年5月にIBF世界ライトフライ級王座から陥落し、先月にはスーパーフライ級での4階級制覇に挑むことを表明したばかり。八重樫は「これまでとは骨格のフレームからボクシングにやり方を変えないといけない。パワーも違うし、根性比べではしのげないと思うので」と意欲的だった。