ダブル世界戦でWBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(24=大橋)が、挑戦者の同級6位ヨアン・ボワイヨ(29=フランス)を3回TKOで下して7度目の防衛に成功した。

 WBC世界ライトフライ級王者拳四朗(25=BMB)は、挑戦者の同級11位ヒルベルト・ペドロサ(25=パナマ)と対戦。4回TKOで2度目の防衛を果たした。


ダブル世界戦

◆WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦

王者が7度目の防衛


王者井上尚弥(24=大橋)3回TKO×挑戦者ヨアン・ボワイヨ(29=フランス、同級6位)

【1回】井上はガードを上げてボワイヨの様子を見る静かな立ち上がり。40秒過ぎに最初のパンチ、狙いすましたような左ボディーがボワイヨをとらえ、場内がどよめく。その後もじりじりと重圧をかけて前に出る井上。残り15秒、接近戦からの左フックでボワイヨのアゴを打ち抜き、最初のダウンを奪う。ボワイヨが立ち上がったところでラウンド終了

【2回】井上が左ボディからロープ際へ詰め、右フックでボワイヨを追い込む。さらに強烈な右フック、右ストレートがヒット。たまらず距離をとろうとするボワイヨに対し、井上はすかさず前へ。コーナーに詰め右ボディ、左ボディ、右フックの連打を浴びせた

【3回】反撃したいボワイヨが右フックを放つが、井上はあわてず応戦。コーナーに追い込み、強烈な左ボディを突き刺す。我慢しかけたボワイヨだったが、たまらず膝をついてダウン。何とか立ったが、なおも井上が左ボディー2発を叩き込み再びダウン。必死の形相で立ち上がったボワイヨに対し、井上がラッシュをかけ、最後はガードの隙間に左ボディーをグサリ。レフェリーが試合を止めた

<コメント>

◆井上「左は常に自信を持っているパンチなので、当たれば倒れるという感触はある。相手は気持ちも強いと感じた。対戦相手がなかなか決まらない中。こうやって対戦をしてもらえたということで感謝してますし、自分としては全く物足りないところもある。スーパーフライ級では実現できないのかな、という思いもある。来年バンタム級に行きたいと思います。世界に飛び込んでいく楽しみもある」

1回、強烈なパンチでボワイヨからダウンを奪う井上尚(撮影・河野匠)
1回、強烈なパンチでボワイヨからダウンを奪う井上尚(撮影・河野匠)
3回、ボディーをボアイヨ(手前)にねじ込む井上尚(撮影・狩俣裕三)
3回、ボディーをボアイヨ(手前)にねじ込む井上尚(撮影・狩俣裕三)
3回TKO勝ちを収めた井上尚(右)にトロフィーを渡す日刊スポーツ田編集局次長(撮影・河野匠)
3回TKO勝ちを収めた井上尚(右)にトロフィーを渡す日刊スポーツ田編集局次長(撮影・河野匠)

◆WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦

王者が2度目の防衛


王者拳四朗(25=BMB)4回TKO×挑戦者ヒルベルト・ペドロサ(25=パナマ、同級11位)

【1回】ともに積極的に動きながら左ジャブを繰り出す立ち上がり。ペドロサが頭を下げて飛び込む場面もあったがヒットせず。2分過ぎ、拳四朗の左ジャブがペドロサの顔面をとらえる

【2回】前に出ようとするペドロサに対し、左ジャブで距離を保ち有効打を浴びない拳四朗。残り1分から左ボディー、左フックがペドロサにヒットする

【3回】ペドロサが積極的に前に出るが、拳四朗は冷静に右ストレートでペドロサの出足を封じる。中盤過ぎ、拳四朗の左ジャブからの右アッパーがヒット

【4回】20秒過ぎに拳四朗の右フックを顔面にくらい、ペドロサがぐらつく。一気にロープ際の連打で追い込む拳四朗。1度はクリンチで逃げたペドロサだったが、再びロープ際に追い込んだ拳四朗が右ボディーで最初のダウンを奪う。立ち上がったペドロサに対し、拳四朗がなおも連打でラッシュ。崩れ落ちたペドロサを見てレフェリーが試合を止めた

<コメント>

◆拳四朗「いやもう最高っすね。最初は(動きが)硬くて手数が少なかった。後半に入って(パンチが)当たるようになってから、どんどんプレッシャーをかけられるようになった。そういう作戦でした。(4回のKOシーンは?とインタビュアーに聞かれ、会心のドヤ顔で)あれ実は、北斗百裂拳なんです。KOはしたかった。それを見せられて幸せです」

3回、ペドロサ(手前)に強烈な右フックを食らわす拳四朗(撮影・狩俣裕三)
3回、ペドロサ(手前)に強烈な右フックを食らわす拳四朗(撮影・狩俣裕三)
ペドロサ(後方)を4回TKOで下し、ガッツポーズを見せる拳四朗(撮影・河野匠)
ペドロサ(後方)を4回TKOで下し、ガッツポーズを見せる拳四朗(撮影・河野匠)
4回、ペドロサ(左)に北斗の拳の「北斗百裂拳」をほうふつとさせる連打を浴びせる拳四朗(撮影・河野匠)
4回、ペドロサ(左)に北斗の拳の「北斗百裂拳」をほうふつとさせる連打を浴びせる拳四朗(撮影・河野匠)

◆東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ12回戦


王者清水聡(31=大橋)7回TKO×挑戦者エドワード・マンシト(25=フィリピン、同級14位)

7回、マンシト(右)に猛攻を仕掛ける清水(撮影・狩俣裕三)
7回、マンシト(右)に猛攻を仕掛ける清水(撮影・狩俣裕三)
マンシトを7回TKOで下し、ラウンドガールと笑顔で記念撮影に納まる清水(撮影・河野匠)
マンシトを7回TKOで下し、ラウンドガールと笑顔で記念撮影に納まる清水(撮影・河野匠)