昨年大みそかに引退を表明したプロボクシング元3階級制覇王者井岡一翔氏(29)が20日、米国で現役復帰し、日本人初の4階級制覇を目指すことを正式表明した。

 同日、約6カ月半ぶりに都内で会見を開き、米国を拠点にカムバックすることを発表。9月8日、米ロサンゼルスで開催予定となるスーパーフライ級の強豪を集めた興行Superfly3で復帰戦に臨むという。対戦相手、タイトル戦になるかどうかも含めて今後発表される。

 練習拠点も米ロサンゼルスに置くという井岡は「米国で現役復帰することを決意しました。今後の拠点は米国となります。新たな地で日本人ボクサーとしても新たな挑戦だと思います。必ず結果を残したいと思います。新たな地で4階級制覇を目指したいと思います」と決意を口にした。なお所属先は遊技機メーカーのSANKYOとなる。

 「大みそかの時には現役復帰のことはまったく考えていなかった」と強調する井岡は今年2月24日のSuperfly2(米イングルウッド)を現地で視察。「ボクシングをやるなら日本よりも海外だと思った。プロモーター(360プロモーションのトム・ローファー代表)とお会いし、話してから具体的に進みだして、自分としては、そのあたりから(ボクシングを)やるからには(練習を)始めよう」と3月ぐらいから国内のジムを中心に本格的なトレーニングを開始した。体重もスーパーフライ級(52・1キロ)を想定し、56~57キロをキープしている。

 「日本ではやることをやり切って考えていなかったので、この大きなきっかけがないと大きな決断はしなかった。やるからには海外で、誰もやったことないことを階級を上げて4階級制覇の大きな目標を掲げて決断しました」と胸の内を明かした。

 前所属先となる井岡ジムの父一法会長にも米挑戦を報告し「頑張ってこい」と激励されたという。井岡は「今まで、ともに一緒に頑張ってきた。今あるのは両親のおかげ。ボクが活躍することで喜んでもらえると思う。結果を求めていきたい」。今回の決断には、妻の奈南夫人も「常に応援してくれている」とサポートを感謝していた。

 ◆井岡一翔(いおか・かずと)1989年(平元)3月24日、大阪・堺市生まれ。元世界2階級王者井岡弘樹氏のおい。興国高で高校6冠。08年に東農大を中退し、プロ転向。当時国内最速の7戦目で世界王座(WBCミニマム級)獲得。12年6月にWBAも制し統一王者。同12月にWBA世界ライトフライ級王座に就き2階級制覇。15年4月に同フライ級王座も獲得し、世界最速18戦目で3階級制覇。身長165センチの右ボクサーファイター。戦績は22勝(13KO)1敗。妻は歌手の谷村奈南。