【ラスベガス(米ネバダ州)17日(日本時間18日)=阿部健吾】ボクシングのWBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)が2度目の防衛戦を20日(同21日)に控え、ラスベガスのトップランク社のジムで公開練習。一瞬の初対面を果たした対戦相手の同級3位ロブ・ブラント(米国)陣営は、村田を良く知ると豪語する元世界王者の参謀が攻略に自信を見せた。

村田より先に公開練習を終えたブラントは、初の世界戦への興奮を隠さず、冗舌だった。「判定までいって勝つことを考えている。1発当ててびっくりさせたいね」と目を輝かせた。

具体的に勝利を描くのは、参謀の存在が大きそうだ。4カ月前から師事するのは、元世界王者のエディ・ムスタファ氏(66)。ライトヘビー級を制した往年の名選手に、この日も細かい指示を受けた。同氏は村田がラスベガスで合宿をしていた際に、スパーリングパートナーを手配したこともあるという。「村田のことはよく知っている。土曜日に(作戦は)お見せしよう」と不敵に笑った。

ブラントは17歳から競技を始め、全米選手権優勝などの実績もあるが、まだ米国では無名に近い存在。キャリアが浅く、手数の多さ、速さは持ち合わすが、技術的には未成熟。この試合を念頭にラスベガスには2カ月前から入り、調整を進めており、新トレーナーの手腕でどう進化しているかが、展開を左右しそうだ。