国内現役最年長41歳で東洋太平洋&WBOアジア・パシフィックミドル級王者の野中悠樹(井岡弘樹)が24日、故郷の兵庫・尼崎市役所を表敬訪問した。2月24日に日本ボクシングコミッション(JBC)公認タイトルの史上最年長奪取に成功。野中は、稲村和美市長(46)に「周りの人に、ものすごい勇気を与えますよね」と感嘆されて照れ笑いを浮かべたが「ですが、どうしても世界戦がしたい。目標は世界なんで、おごらず頑張ります」と、あらためて世界王座を目指す決意を語った。

そんな野中には“小さな誤算”があった。世界挑戦には世界ランク入りが必要で、アジア・パシフィック王座を手にしたWBOで期待されたが、ランクインできず、15位の下に名前がある“補欠扱い”となった。「(世界的に層の厚い)この階級ですから、仕方ないでしょう。WBCなんか東洋太平洋王者では絶対(世界ランクに)入れませんからね」。

世界ランク入りには実績を重ねるしかないが、年齢を考えれば、少ない試合数で効果的に結果を残すことが重要になる。最も理想のシナリオは「初防衛→世界ランクイン→世界挑戦」だ。仮にその流れを作れた場合でも、世界ミドル級王者を呼んで国内開催するには莫大(ばくだい)な資金が必要なだけに現実的に難しい。当然のように、海外挑戦も視野に入れなければならない。

陣営は7、8月に初防衛戦を予定。「もうトレーニングは再開しています」。越えねばならないハードルは多い。先の見えない、いばらの道だが、不惑の男は夢を信じて歩いていく。