ボクシング前WBA世界ミドル級王者で同級3位の村田諒太(33=帝拳)が7月12日、エディオンアリーナ大阪で現同級王者ロブ・ブラント(28=米国)に挑戦することが25日、発表された。18年10月20日、米ラスベガスでブラントに敗れ、王座陥落して以来の再起戦が世界再挑戦となった。奈良市出身の村田にとって関西での試合は14年5月、島津アリーナ京都で臨んだネリオ戦以来約5年ぶりとなる。同日、都内のホテルで来日した王者とともに記者会見に臨んだ。

村田は「負けた時はこれ以上、ボクシングすることはないと思う時期もありましたが、自分の人生を振り返った時、あの試合が最後でいいのかと問いかけたらそれはないなと思いました。自分自身、心身ともに成長できている。試合までに仕上げたいと思います」と強い決意を示した。また「1つの試合が現実としてあるだけ。ボクにとっての最後の試合になるのか。この試合を持ってもっと村田を見たいと言われるかジャッジされる試合。リングの上ですべてをみせたい。期待してください」と締めくくった。

一方、今年2月に米ミネソタ州で初防衛に成功しているブラントは「今の正直な気持ちを言う。村田にとっての強みは日本のサポートだろう。その中での試合なので、前回よりもより大きなチャレンジで、しっかり準備はしている。より大きな挑戦だ。エキサイティングでワクワクしているし、試合の重さも理解している。大きな試合は村田にとっても重圧。自分の肩には置かれていない。前回と同じような試合、同じような結果を残せればうれしい」と意気込んだ。プロキャリアで初めての再戦となるものの「村田は2倍以上の力でくるだろう。私は3倍、それ以上のパワーを出さなくてはならない」と王者らしい風格を漂わせた。

村田は昨年10月、ボクシングの本場、米ラスベガスでブラントとの2度目の防衛戦に臨んだ。手数が多く、スピードのある相手の積極的な攻撃をつかまえきれず、試合の主導権を握れなかった。中盤以降は右の強打もヒットさせることはできず、0-3の判定負けを喫した。試合後、村田と契約する米プロモート大手トップランク社のボブ・アラムCEOは「来年の3月か、4月にリマッチをやる」と再戦マッチメークに意欲を示していた。