WBA世界ライトフライ級2位木村翔(30=青木)が、ホームの中国で世界再挑戦に失敗し、2階級制覇はならなかった。無敗の同級王者カルロス・カニサレス(26=ベネズエラ)のV2戦で世界再挑戦。

判定負けを喫し、再び中国で王座に返り咲きはできなかった。日本人対決に実質団体統一戦の井上尚弥を除くと、日本人の世界挑戦は昨年大みそかから10連敗となった。

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木村にとって中国は5試合目だった。中国の英雄と言われた鄒市明から王座を奪い、雑草魂で一躍中国で人気になった。今回も初の開催地でセミながら、中国全土にテレビ中継された。中国代表と言える待遇と期待も、王座返り咲きで応えることができなかった。

異例の階級を下げての2階級制覇挑戦だった。元々はライトフライ級だけに「元に戻して減量しただけ」と影響なし。3日までのタイ合宿後は菓子やジュースは封印。栄養士のアドバイスで玄米にするなど「ボクサーらしい食生活」に改善も怠らなかった。

再起戦から2カ月足らずも、4月からタイで約2週間の合宿を張った。毎日スパーかミットで12回、それも1回4分でインターバル45秒。今回は15回のミット打ちも2日。気温40度を超す最も暑い時期の屋外ジムで強化した。減量苦はなく、体力にスタミナを生かせるはずだった。

カニサレスは田口良一のV5戦で世界初挑戦して引き分けていた。昨年に小西令弥との決定戦を制してのV2戦。21勝(17KO)1分と無敗に、木村は「無敗が最強ではない。挑戦者として倒しにいく」と宣言していたが及ばなかった。