米総合格闘技UFCのスター選手で、現ライト級王者ハビブ・ヌルマゴメドフ(31=ロシア)のトレーナーで父のアブドゥルマナブ氏が新型コロナウイルスの合併症のため、モスクワの病院で亡くなった。3日、ロシアメディアRTや英紙ザンなどが報じた。57歳だった。

アブドゥルマナブ氏は4月下旬、肺炎のような症状を起こし、新型コロナウイルス感染が確認された。その直後に心臓発作を起こし、緊急バイパス手術を受けていた。2度の昏睡(こんすい)状態となったが、6月末に一時的に意識が回復し、担当医から「深刻であるが、病状は安定している」と報告されていたが、容体が急変したという。

元2階級同時制覇王者コナー・マクレガー(アイルランド)の最大のライバルでもあるヌルマゴメドフは父からサンボを軸とした格闘技を学び、二人三脚でUFC王者までのぼりつめていた。ヌルマゴメドフは「ウイルスが父の肝臓と心臓に影響を与えてきた」と試合を組まずに看病を続けてきたが、その願いは届かなかった。