ボクシングWBO世界フライ級3位中谷潤人(22=M.T)が最後の関門をクリアした。6日の東京・後楽園ホールでの世界初挑戦へ向け、5日に都内で前日計量に臨んだ。中谷は50・7キロ、同級1位ジーメル・マグラモ(26=フィリピン)は50・6キロと、いずれも50・8キロのリミット以下でパスした。

中谷は計量後にオンラインで取材に応じた。いよいよ決戦を待つだけに「存分に楽しんで勝利したい。しっかり結果を出して明るいニュースを届けたい」と決意を口にした。

前日にPCR検査を受け、そのまま都内のホテル入りしていた。「家にいる感じで環境もいいので感謝」。夕食には計量後は恒例のうなぎとオムライスを家族が届けてくれるという。王座決定戦での世界初挑戦。「挑戦者らしく」とトランクスなどのコスチュームは青を基調にした。

中1で世界王者を目指してボクシングを始めた。中卒で単身で米国修業し、確実にステップを踏み、今年国内で男子では初の世界戦までたどり着いた。「10年7カ月、世界王者を目指してきた思いを伝えたい」。あとはリングでベルトをつかむだけだ。

オフィシャルは全員が日本ボクシングコミッション役員で構成されることも発表された。スーパーバイザーが安河内剛、レフェリーが池原信遂、ジャッジはビニー・マーチン、野田昌宏、村瀬正一となった。

3日のWBA世界ライトフライ級王座戦は、スーパー王者京口紘人(ワタナベ)が前日計量後に陽性が判明で中止となった。この一戦も4、8月と2度延期の末に、コロナ禍で国内で初めて外国選手を招いた世界戦となる。20戦全勝(15KO)で国内一番のホープが、2年ぶりの新王者誕生を狙う。