エース棚橋弘至(45)が2度目のIWGP・USヘビー級王座戴冠を果たした。挑戦者として、王者KENTA(40)との何でもありのノーDQ(反則裁定なし)形式王座戦に臨み、22分40秒、5メートル近いラダー(はしご)頂上からのハイフライフローでテーブル上のKENTAを仕留め、昨年11月以来約2カ月ぶりの同王座返り咲きを果たした。

【関連記事】新日本1・5詳細ライブ

KENTAの要求に応え、ノーDQ形式を受けた棚橋は鬼の形相で非情に徹した。国内でベビーフェイスを貫いてきたエースが「一生分の反則をします」と宣言し、KENTAと対峙(たいじ)。竹刀でめった打ちにすれば、KENTAにはベルト殴打で反撃を受けた。

次々とリングに持ち込まれたテーブル、パイプいす、スチール製ごみ箱、ラダー、アタッシェケースを使った攻撃の応酬。コーナーに設置されたテーブルにたたきつけられて背中を強打しながらも、ギター攻撃で応戦した。パイプいす上へのスリングブレイドも成功。1度はテーブルへの雪崩式ファルコンアローで大きなダメージも負った。

棚橋が動けない状況となると、リング上にはKENTAによって5メートル近いロングのラダーを設置。ラダーを上がった王者を何とか振り下ろすと、テーブルに乗せて自らがラダー頂上へ。滞空時間の長い必殺のハイフライフローをKENTAに浴びせ、片エビ固めフォール勝ちした。

21年11月の大阪大会でKENTAに敗れ、2度目の防衛に失敗してIWGP・US王座から陥落。同8月の米国大会でランス・アーチャーを下して日本人初の同級王者となった際、米ファンから大きな拍手と歓声を浴びた。王者として再び米国に登場することを約束していた。KENTAが大流血するほどのノーDQの激戦を制した棚橋が22年のIWGP・US王者として新日本プロレスの創立50周年を突き進む。