<プロボクシング:WBCノンタイトル10回戦>◇14日◇中国・香港
【香港=奥山将志】WBC世界ミドル級6位村田諒太(30=帝拳)が4回TKO勝ちで、世界挑戦に前進した。13勝(11KO)1敗の実績を持つペドロソ(ブラジル)と対戦。初回から圧力をかけると、4回に強烈な右ストレートからの一気の連打でレフェリーストップを呼び込んだ。次戦は7月に米ラスベガスで予定され、大舞台を引き寄せるため、さらにアピールを加速させていく。戦績は10勝全勝(7KO)とした。
前に、前に攻めた。4回。村田は鋭いジャブでプレッシャーをかけると、強烈な右ストレートを続けた。KO負け経験のないペドロソが、半身になるように逃げる。目の前のチャンスに、村田はさらに、拳に力を込めた。粘る相手の心を折るような左右の連打。ロープ際で一気に仕留めた。
「右は手応えがあった。ガードを固めてプレスをかけていく自分のスタイルが出来上がってきた。KOできたことは大きい」。安堵(あんど)感と達成感が入り交じった、柔らかな表情で試合を振り返った。
世界と戦う「武器」を整えてきた。3月に約3週間の米ロサンゼルスでのスパーリング合宿を敢行。現役世界ランカーらと拳を交え、前への圧力、右ストレート、ブロックの3本柱が通用すると確かな自信を得た。節目のプロ10戦目。リング上で躍動し、持ち味の攻撃的なボクシングがさらに進化したことを証明した。
一方で、課題も見えた。この日も含め、これまでのフィニッシュはすべて右。控室に戻ると「これからは相手も僕の右を警戒してくる。ダメージが与えられる左フックが必要だと痛感した。伸びしろがあると思って鍛えていきたい」と力を込めた。
KOが求められた試合で結果を出し、世界戦に向けたカウントダウンはいよいよ本格化する。次戦は7月23日、舞台は「聖地」ラスベガス。昨年11月の初進出時は、消化不良の判定決着に終わった。「あの悔しさは忘れていない」。今回以上の重圧がかかる一戦となるが、迷いはない。
控室に戻ると、力強く言った。「プレッシャーは自分で作る幻想。そこの勝負に負けていたら男として面白くない。そんなものにのまれず、チャンピオンになりたい」。完勝で、陣営はあらためて年内の世界挑戦を目指していく方針を強調した。「勝負の年」と位置づける16年。村田が全力で駆け抜ける。