村田の初世界戦はWBAかWBOか…交渉最終局面

16年12月30日、ブルーノ・サンドバル戦でKO勝ちした村田諒太

 ボクシングのロンドン五輪金メダリストでWBA世界ミドル級2位村田諒太(31=帝拳)の初の世界挑戦に向けた交渉が最終盤を迎える。帝拳ジムの本田明彦会長(69)が12日、WBA同級王座統一戦が18日(日本時間19日)に開催される米ニューヨークで「2つの陣営と話し合うことになる」と明かした。元WBO世界王者で、WBA暫定王者(1位)ハッサン・ヌダム・ヌジカム(33=フランス)と、WBO同級王者ビリー・ジョー・サンダース(27=英国)の陣営と「話を進めたい」と、最終交渉にしたい考えだ。

 ヌジカムが対戦相手となる場合はタイトルはWBAの正規王者になる。スーパー王者ゴロフキン(カザフスタン)と現正規王者ジェイコブス(米国)が争う18日の統一戦が引き分けまたは無効試合でない限り、正規王者が空位になり、村田は王座決定戦に臨むことが有力。WBAのメンドーサ・ジュニア会長は先月の来日時に「引き分けや無効試合にならない限り、暫定王者の次戦の勝者が正規王者になる」と明言している。

 サンダースは以前から照準を合わせてきた相手で、難航してきた難敵でもある。昨年末の挑戦が確定的となりながら、最終局面でまとまらなかった経緯もある。WBA統一戦の試合結果も見ながら、村田を含めた3陣営での協議となる。

 本田会長は「開催場所は日本になるか海外になるかもわからない。金額面も含めてこれから」と時期なども未定とした。村田は「決まるのを待つだけです。焦りはない」と普段から話すが、近く米国の地で大きな動きがありそうだ。【阿部健吾】

 ◆ビリー・ジョー・サンダース 1989年8月30日生まれ、英ウェリン・ガーデンシティ出身。08年北京五輪にウエルター級で出場。09年2月に2回TKO勝ちでプロデビュー。13年7月にWBOミドル級インターナショナル王座を獲得。15年12月にWBO世界ミドル級王座獲得。180センチ。

 ◆ハッサン・ヌダム・ヌジカム 1984年2月18日、カメルーン生まれ。アテネ五輪に出場後の04年にフランス国籍を取得し、プロ転向。10年にWBA世界ミドル級暫定王者、12年5月WBO同級暫定王者を獲得し、同年8月には正規王者に。プロ解禁の16年リオ五輪ではカメルーン代表として1回戦敗退。昨年12月に1回22秒KO勝ちで4年ぶりにWBA暫定王者に返り咲いた。180センチ。