比嘉大吾「すごい意識」日本人初の全勝全KO狙う

ファイティングポーズをとる比嘉(右)と具志堅会長(撮影・小沢裕)

 日本人初の全勝全KOで世界王者になる! ボクシングWBC世界フライ級1位比嘉大吾(21=白井・具志堅)が20日の世界戦を控え、11日に都内のジムで公開練習した。強打の連打を看板に、12戦全勝全KOでの初挑戦。KO奪取なら、具志堅会長もできなかった快記録になる。

 2回のスパーリングでも強打を披露した。具志堅会長は「勇気ある思い切りの良さ、瞬間の破壊力がある。12回は早い。連打とスタミナで初回からいかせる」と力を込めて期待を口にした。比嘉も「ガンガンいき、最終的に倒したい。世界とります」と目を輝かせた。

 これまで日本のジムからは19人が全勝で世界王者となった。具志堅会長が9戦全勝で第1号だが、9戦中3勝が判定勝ち。全KOでの王者は1人もいないだけに、比嘉は「すごい意識します。KOしたい」。会長と同じ21歳で王者に箔(はく)を付けるつもりだ。

 王者エルナンデスは初のメキシカン。「顔も怖く、うまく、キャリアもある。角度あるパンチは注意」という。10回のスパーを過去にない5度、左相手も20回こなして対策は練ってきた。沖縄出身としては25年ぶりで7人目のベルトが懸かる。「ボクシング王国の時みたいに盛り上げ、沖縄に元気を届けたい」。KO勝ちでのベルトしか頭にない。【河合香】

 ◆比嘉大吾(ひが・だいご)1995年(平7)8月9日、沖縄県浦添市生まれ。具志堅会長のビデオを見て宮古工で競技開始。アマ36勝(8KO)8敗。14年8月プロデビュー。15年にWBCフライ級ユース王座(防衛2)、昨年に東洋太平洋同級王座(防衛1)を獲得。160センチの右ファイター。

 ◆日本のジムから全勝で世界王座獲得 外国人5人を含めて19人いる。具志堅を皮切りに工藤、三原、井岡弘、鬼塚、勇利、ナザロフ、竹原、イーグル、名城、亀田興、リナレス、内山、井岡一、亀田和、井上、クアドラス、田中、久保。最高KO率は勇利の13勝12KO。最速は田中の5勝(2KO)。引き分け含む無敗での獲得は辰吉、新井田、山中ら。全勝全KOで挑戦したのは10KOの渡辺雄らがいる。