本紙評論家2人は村田諒太の王座奪取予想/連載

計量を終えポーズを取る村田(撮影・足立雅史)

<世界の頂から頂へ5・完>

 村田の連載最終5回目は、元世界王者が大一番を占った。元WBC、WBA世界ミニマム級の大橋秀行氏(52)と元WBC世界スーパーフライ級の川島郭志氏(47)。本紙評論家2人が、村田の王座奪取を予想するとともに、勝利へのポイントを予測した。

 大橋氏 21日はジムのダブル世界戦で緊張が高まってきたが、一方で村田を早く見たいとうずうずする。本当に楽しみだし、村田は勝てると思う。

 川島氏 ボクも勝つと思う。日本人が初めてアマで1番になり、プロでも1番になる日。ミドル級は竹原が王者になったが誰も勝つと予想しなかった。今回は可能性高く期待してます。

 大橋氏 デビューのころとは全然違っているからね。一時スランプ的でバラバラな感じもあったが、昨年は海外でも倒してきた。思い切りがよくなり、プロ仕様になった。

 川島氏 元々体にパワーあり、アマ時代からボディーはうまかった。自分のスタイルはこれしかないと決めて試合を積んできた。総合的、全体的にレベルアップしている。

 大橋氏 あのボディーは有効だが、それもプレスをかけていけるかにかかる。ガードを固めて、ジャブを外し、強めにプレスをかけていけば、捕まえられる。

 川島氏 まず下がらないこと。リング中央で戦うのでなく、ロープに追い込んで距離も詰まらせたい。前半にギャフンといわせ、徐々に弱らせたいですね。

 大橋氏 そうだね。逆にジャブをもらっているとペースを握られる。エンダムは打たれ弱い面もあるから、ガードの上からでも打ち込んで疲れさせたいね。

 川島氏 ただ、今までのようにはいかないでしょう。エンダムは動きが速くて柔軟で、ウイービング、ダッキングもいい。あそこまで動く選手はそういない。37戦してうまいし、イチかバチかは当たらない。

 大橋氏 あとエンダムは回復力があり、何度ダウンしても追い上げてくる。あれは侮れないな。

 川島氏 パンチもいいですからね。左ボディーに相打ちで合わせる、大振りの右フックが一番怖い。大振りなので見えづらいのでは。

 大橋氏 暫定王座に就いた時は、22秒で右クロス一発を決めて失神KOさせた。世界のミドル級だけに誰でもパンチ力がある。

 川島氏 エンダムはアゴが弱く、村田はガードが堅くて崩れない。村田が一方的になるかもしれない。粘られると一発が怖い。

 大橋氏 村田がどこまで通じるか。やはり目に見えない重圧はあると思うが、金メダルとったんだから大丈夫。金メダリストの世界王者が誕生する時が来た。【構成・河合香】(おわり)