妥協なし井上尚弥2000段特訓、米国デビュー脳裏

階段を駆け上がる井上尚。後方は弟拓真(撮影・阿部健吾)

 WBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(24)が25日、前東洋太平洋同級王者の弟拓真(21)、いとこの日本スーパーライト級3位浩樹(25=いずれも大橋)と恒例の静岡・熱海での合宿初日を迎えた。28日まで強化を図るが、初の夏場実施となったこの日は宿泊所近くの階段で特訓。計2000段ほどを多様なメニューで上り「いや~、きついですね。でも、合宿にくると試合モードに切り替わりますね」と汗をぬぐった。

 下半身強化は、米国デビューにも生きる。9月9日に米カリフォルニア州のスタブハブ・センターで同級7位ニエベス(米国)とのV6戦が待つ。挑戦者を研究し、「リーチが長い。ジャブで正面衝突すると当てられるので、角度付けたり、ステップインの速さが必要」と結論づけた。そのための脚力向上。「階段できつくて歩きたくなるところでも、米国がよぎると頑張れる」と最高の発奮材料を糧に、脚を磨く。