白血病克服ノブ・ハヤシ 20周年で欧州巨漢と激突

「骨髄バンクチャリティ CHAKURIKI 3」でナジーム・マリク(37)と対戦すると発表したノブ・ハヤシ(撮影・村上幸将)

 白血病を克服した格闘家ノブ・ハヤシ(39=ドージョーチャクリキ・ジャパン)が9日、都内で会見を開き、3月1日に東京・後楽園ホールで開催するプロデビュー20周年記念興行「骨髄バンクチャリティ CHAKURIKI 3」で、ベネルクスヘビー級王者ナジーム・マリク(37)と対戦すると発表した。

 チャクリキ・ジャパン館長のノブ・ハヤシは、99年K-1JAPANGP準優勝、01年3位などK-1ヘビー級戦線で活躍してきたが、08年に急性骨髄性白血病を発症し、09年1月に緊急入院。1度は復帰したが、10年1月に再発して骨髄移植を受け、13年に11月に4年ぶりにリングに復帰。闘病生活は6年に及んだ。「最近は、相手どうこうじゃない。自分が、どれだけやれるかを念頭に置いてやってきた。全盛期までには、なかなか戻ってはいないですけど、やれることはあるし、20周年ということもある。チャクリキの名が付いている限り、僕がメインで戦わないといけない」と意気込んだ。

 対戦相手のマリクは、ルクセンブルク出身のモロッコ系選手で、同国とベルギー、オランダのベネルクス3国の認定ヘビー級王者で、195センチ、95キロの巨漢だ。ノブはマリクの印象を聞かれ「久しぶりに自分より大きい選手と戦う。オランダでデビューした時も欧州の選手。欧州の選手と戦えるのはうれしい」と語った。映像もチェックしており「いろいろなタイトルを取っているので侮れない。見た感じ、ガンガン来るパワーファイターではない。テクニックで来るタイプだと思う」と分析した。

 キックの試合は、17年の6月の熊本での大会以来で、東京でのキックの試合は16年11月のコウイチ・ペタス戦以来だ。「僕はキックがメーンの選手。うれしい。揺るがない気持ちでやってきたので、キックは好きです」と笑みを浮かべた。

 「試合を重ねるたび、調子は復帰当時よりも全然良くなっている」と語るが、復帰した今でも免疫抑制剤を飲んでいる。「人前に出ると病気にうつりやすい。この時期、本当に気を付けながらやっている。(16年の興行)『CHAKURIKI 2』の時は、肺炎と診断されながら試合した」と、自らの肉体と相談しながらの日々を送っている。それだけに、白血病やガンで闘病する患者への思いは強い。「(全盛期の頃は)勝ち負けを気にしていて『やったるんだ、オラ! 」という気持ちでやっていた。今は頑張る力、勇気を与えていきたいという気持ち。6年間、闘病して試合が出来なかった。(闘病中は)病気をしても頑張れるというところを見せたかったし、そういう思いは強い。闘病で頑張っている人に、励みになる試合をしたい」と、かみしめるように語った。【村上幸将】