すね毛逆立つフック危険!村田が語る最強王者攻略法

WBA世界ミドル級タイトルマッチ村田諒太対エマヌエーレ・ブランダムラ 防衛に成功し、チャンピオンベルトを巻いて勝ち名乗りを受ける村田諒太(左)(2018年4月15日撮影)

 ボクシングのWBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)が最強王者攻略法の一端を明かしてくれた。1日に都内で取材に応じ、5日(日本時間6日)に米カリフォルニア州で開催される3団体統一同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)の20度目の防衛戦に言及。WBC世界スーパーウエルター級1位バネス・マーティロスヤン(アルメニア/米)が相手の試合に「耐久力とかパワーの壁がある。4回以降のKOかTKOが順当」と勝利を予想する傍ら、自身ならゴロフキンとどう戦うかについても、「頭に浮かんでますよ」と一部を披露した。

 挑戦者にWBA6位エマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)を迎えた先月15日の初防衛戦では、8回TKO勝ちした直後のリング上インタビューで「ゴロフキンを目指したい」と公言もしていた。当然ながら既に脳内ではイメージが具体的な像を結ぶ。

 村田 しっかり距離を保ってた上で、あとは根本的なことですね。パンチ力はすごくあるので、その一発をもらわない。ガードしなくてはいけない。そのガードも、結構フックを大きく回してくるので。ちょっと後頭部気味に当てること多いじゃないですか。アゴとかよりも。ゲールとの試合の最初のダウンもそう。そういう試合が多い。そこは気を付けないと。

 最警戒ポイントに挙げたのはフックだ。具体例に挙げたのは14年7月にWBAタイトルの11度の防衛戦として行われたダニエル・ゲール戦。最終的には相手の右ストレートを顔面に受けてはね上げられながら打ち返した右ストレートで逆にリングに打ち倒す衝撃的なダウンを奪い3回TKO勝ちしたが、2回の「最初のダウン」を奪ったパンチこそが危険。それは右のフックで、軌道大きくゲールの左後頭部付近にまで到達。決してクリティカルヒットではなかったが、その独特の軌道から放たれた威力はすさまじかった。ゲールがグローブで思わず後頭部をさする姿も印象的な一発だった。

 村田 (対策は)こういう姿勢(少し頭を前に下げる)にはならないことですね。僕もそれでスパーリングできかされたので。すね毛が逆立つ気持ちになるくらいでした。

 14年7月、米ラスベガスで合同練習の機会があった。その中で行ったスパーリング。村田はプロ1年目。「彼は紳士。デビュー1年目の選手を倒そうなんて気はなかった」と明らかに本気ではなかったが、軽くダッキングした頭にもらったフックは忘れない。脚もとからしびれが上がってくるような感覚に襲われたという。警戒点はもちろんそれだけはない。実際に対戦が決まれば、精緻に分析して勝利の糸口を探るだろうが、現時点では最も気を付けるのはフックだ。

 村田 あとは自分のボクシングをしっかりやって、ジャブをしっかり使って、長い距離から打ち込んでいく。それが通用するかしないかですね。

 防御面から攻撃面に話を進めると、そこは積み重ねてきた自信が支える。ガードを固めてプレッシャーをかけ、前進、強打を打ち込む。ゴロフキン相手だろうと変える必要もないし、変えては通用するものもしない。昨年9月のアルバレス(メキシコ)戦では打たれ強さも見せつけたゴロフキンだが…。

 村田 人間、打たれ強いと言ったって、打たれていればそのうち倒れる。(東洋大の恩師の)金城監督は「打たれて強いボクサーはいない」と。「普段から打たせるボクサーは絶対にダメだ」と。ゴロフキンはタフですし、もちろん簡単には倒れないと思うが、タフだから何が変わるかというと、そうでもないし、打たれるボクサーに長続きする選手はいない。

 世界の雄が集うミドル級だけに、標的と戦えるかどうかは不確定な要素も多い。ただ、村田が的確に確信を持って語る最強王者と向き合う脳内イメージは、それが現実となってくれることをより一層願わせるものだった。